スイス、条件付きの移民制限をEUに提案へ─大統領=新聞

2016年6月27日(月)12時37分

[ウィーン 26日 ロイター] - スイスのヨハン・シュナイダー・アマン大統領は、ツァイトゥング紙とのインタビューで、移民制限に関する欧州連合(EU)との交渉で、特定地域・業界で移民を制限できるようEU側に提案する考えを示した。

スイスは、人口の約25%を外国人が占めるが、2014年の国民投票では、3年以内に移民の受け入れに上限を設ける提案が可決された。ただ、全面的な移民制限は、労働者の自由移動を相互に認めるEUとの協定を破ることになる。

同大統領は「(イタリア語圏の)ティチーノ州で、多くのタクシー運転手が失業中なのに、移民のタクシー運転手が全体の平均を上回る数いるという状況」を例として挙げ、特定地域の特定業種や業界で移民を制限できるようEUと交渉する方針を示した。

EU側は、相互協定が定める労働者の自由移動を妨げることは何であれ受け入れない方針を示している。両者の協議は、EU離脱の賛否を問う英国民投票後に持ち越されていた。

今後EUは、英国のEU離脱への対応で手いっぱいとなり、スイスとの交渉が早期にまとまる可能性は低いとみられている。

大統領は「夏の休暇前に大まかな道筋をつけたい」との考えを示した。

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