情報BOX:英国民投票23日、結果判明までの流れ

2016年6月23日(木)12時19分

[22日 ロイター] - 英国が欧州連合(EU)から離脱するか、それとも残留するかが決まる国民投票が6月23日に実施される。投票方法や、即日開票の進め方、誰に投票権があるか、は以下の通り。

◎質問

投票用紙には「英国は欧州連合のメンバーにとどまるべきですか、それとも欧州連合を離脱するべきですか」という質問が書かれている。

投票者は下記の答えのいずれかに印をつける。

「欧州連合のメンバーにとどまる」

「欧州連合を離脱する」

◎投票

投票所は23日0600GMT(日本時間午後3時)に開場し、同2100GMT(日本時間24日午前6時)に閉場。

◎出口調査

誤差が大きすぎるとみられるため、マスコミ各社は出口調査を計画していない。ただ、一部のヘッジファンドが個別調査を依頼したと報道されており、市場に影響を与える可能性がある。

調査会社イプソスモリがイブニング・スタンダード紙の委託で投票前に実施した電話調査の詳細が投票日に公表される見通し。

調査会社ユーガブは投票日にオンラインで世論調査を実施し、調査結果は投票が締め切られる2100GMT(日本時間24日午前6時)直後にスカイニュースが公表する。

◎結果発表

投票締め切りの2100GMT(日本時間24日午前6時)直後から開票が始まる。開票は手作業で行われる。

382の集計区がそれぞれ投票用紙を集計し、無効票や郵送投票を含めた投票総数を発表する。当日2230GMT(日本時間24日午前7時半)から翌24日0130GMT(同午前10時半)に大半の集計区が発表し、0400GMT(同午後1時)ごろに終了する見通し。

次に「残留」票と「離脱」票を集計し、各集計区が結果を発表する。24日0100GMT(日本時間24日午前10時)から0300GMT(同午後0時)ごろに大勢が判明し、0600GMT(同午後3時)ごろにはすべて判明する見通し。

各区の結果が12地区にまとめられ、さらに全国の結果が集計される。最終結果は、開票責任者がマンチェスターで発表する。

◎集計区

各集計区は行政区ごとに設定され、有権者数はそれぞれ異なる。有権者数が最大の集計区はバーミンガム、リーズ、北アイルランド。バーミンガムの有権者数は約70万人に上るのに対し、ロンドン中心部のシティ・オブ・ロンドンはわずか7000人。

◎投票者

選挙管理委員会によると、登録有権者数は過去最高の4649万9537人。

英議会総選挙の投票資格がある有権者が投票できる。英国に居住する18歳以上の英国人、アイルランド人、要件を満たす英連邦市民など。

英議会の投票者登録を過去15年間に行い、英国籍を持っている海外居住者。北アイルランドで生まれ、過去15年間に北アイルランドで投票者登録を行ったアイルランド市民。欧州議会選挙の投票資格がある英領ジブラルタル市民も投票資格がある。

◎投票者登録

英政府は国民投票の投票者登録期限を6月9日の深夜0時まで延長した。当初の期限だった7日深夜0時の直前にオンライン登録申請が殺到したため。

◎注目点

1)投票率:最も注目されるが、最初は部分的な数字しか出てこない見通し。昨年の英総選挙での投票率は66%で、EU離脱・残留の両陣営とも、国民投票の投票率がこれを下回る場合、離脱派が有利になるとみている。

2)イングランド東部:離脱派が優勢とみられるイングランド東部で接戦となる場合、全体としての残留派の優位を示している可能性がある。

3)労働党支持者票:野党労働党の支持者の票が残留派の勝利に重要とみられている。そのため、伝統的な労働党の地盤であるイングランド北部やウェールズ南部などの結果が注目される。

4)スコットランド:残留支持が多いとみられているが、スコットランド内の集計区で早い時間に接戦が伝えられる場合、残留派陣営に不安を与える可能性がある。

◎開票結果への異議申し立て

選挙管理委員会の発表は以下の通り。

「国民投票のルールに従い、いかなる状況下でも全国的な票の再集計は行わない。再集計の請求は集計区レベルとし、開票責任者が判断を下す。単に開票結果が僅差だったという理由ではなく、当該集計区において手続きに特定の問題が見つかった場合に、再集計を承認するものと想定する。

国民投票の結果に異議を申し立てるには司法審査を経る必要がある。

司法審査の申請は、異議申し立てをしたという証明書を作成してから6週間以内に行わなければならない」

*内容を追加しました。

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