アイルランド総選挙、連立与党は過半数割れ確実 国民に緊縮疲れ

2016年2月29日(月)09時43分

[ダブリン 28日 ロイター] - 26日投票のアイルランド総選挙では、解散前第1党の統一アイルランド党が苦戦し、連立を組んでいる労働党と合わせても獲得議席が過半数に届かないことが確実な情勢となっている。ケニー首相は27日夜、記者団に対して、労働党との連立が「政権に戻ることはない」と述べた。

アイルランド国民の間で広がる「緊縮疲れ」が、与党離れを招いた可能性がある。アイルランドの経済成長率は欧州でも最高を誇るが、その恩恵が貧困層にまで及んでいないとの不満も背景にあると見られる。

今後の焦点は新たな連立政権の組み合わせに移る。統一アイルランド党と、選挙で議席を伸ばした最大野党・共和党の2大政党による大連立が、唯一の現実的な選択肢と見られるが、長年の対立の歴史を持つ両党が折り合って連立にこぎつけることが可能なのか、不透明感が漂う。

実際、統一アイルランド党と共和党のそれぞれの幹部からはすでに、連立に反対の声が上がっている。連立交渉がまとまらない場合は、再選挙実施の可能性もあるが、その場合は金融市場が動揺しかねない。

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