米大統領、南シナ海問題で中国に強いメッセージ発信へ

2016年2月10日(水)14時34分

[ワシントン 9日 ロイター] - 米ホワイトハウスは9日、来週開催される東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議で、中国に対し、南シナ海問題は「大国の横暴」でなく国際ルールに沿って解決しなければならない、との強いメッセージを送る見通しだと明らかにした。

ローズ米大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)は電話会見で、この問題は大国がより小規模な国々を威圧することによってではなく、国際基準を満たす方法で解決しなければならないと述べた。

米政府高官らは、中国が南シナ海に築いた人工島を軍事転用することを懸念している。

米国家安全保障会議(NSC)のクリテンブリンク・アジア上級部長はこれを踏まえ、「大統領は、南シナ海で領有権を主張する国々が埋め立てや新たな施設設置をやめ、拠点を軍事化することがないように呼びかけるだろう」と電話会見で述べた。

ローズ副補佐官によると、オバマ大統領はメッセージの中で、南シナ海の航行の自由を守らねばならず、「不慮の、かつ不要な」軍事行動は避けるべきだと訴える見通し。

特に中国が最近、南沙(英語名スプラトリー)諸島の人工島に建設した滑走路で試験飛行を行ったことについて懸念を表明するという。

また首脳会議では、北朝鮮の「挑発」についても取り上げる。先月の核実験や週末強行された事実上の長距離弾道ミサイル発射について協議する見通し。

オバマ大統領は、国際社会の制裁強化を通じて北朝鮮への圧力を高める方針をあらためて伝える意向。中国に対しても「非核化原則と朝鮮半島の緊張回避に共通の利益があるというベースで働きかける」とローズ副補佐官は述べた。

ASEAN首脳会議は、15、16日にカリフォルニア州で行われる。

*内容を追加します。

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