オバマ氏が演説で涙、大統領令で銃規制強化へ

2016年1月6日(水)10時39分

[ワシントン 5日 ロイター] - オバマ米大統領は5日、ホワイトハウスからのテレビ演説で、議会の承認を必要としない大統領令による新たな銃規制強化策を発表した。また、銃支持派の候補者に投票しないよう国民に呼び掛けた。

新たな規制では、オンラインや展示会などで銃を販売する業者にも免許取得を義務付けるほか、銃購入希望者の身元調査を拡大する。

大統領は、任期中に現在の銃規制法が変更されるとは考えていないと明言した上で、11月の次期大統領選挙までの期間は銃規制を争点とするために全力を尽くす、と誓った。

また、米憲法修正第2条に定められる武器所有の権利は、祈りを捧げ、平和に集い、生活を営むための権利との調和を保つ必要があると述べた。

大統領は演説の途中、2012年にコネティカット州の小学校で起きた銃乱射事件の犠牲者に言及し、涙を流す場面もあった。

大統領は来週12日の一般教書演説でも銃暴力を取り上げる予定。

共和党は大統領の銃規制強化策に反発。次期大統領選に出馬している共和党候補者の大半は大統領に選出された場合にはオバマ氏の政策を覆すとしている。一方、民主党の候補者は規制強化を歓迎した。

全米ライフル協会(NRA)の幹部、クリス・コックス氏は声明で、規制強化策は悪用される恐れがあると指摘し、NRAは米国民の憲法上の権利を守るために闘い続ける、と語った。

米株市場では、ホワイトハウスが銃規制強化策を発表した4日以降、銃販売が増加するとの期待感から銃器メーカーのスミス・アンド・ウェッソン・ホールディングとスターム・ルガーの株価が上昇。5日にはスミス・アンド・ウェッソンは11.1%高、スターム・ルガーは6.8%高で取引を終えた。

*見出しを修正しました。

  • 1/1

今、あなたにオススメ

今、あなたにオススメ