第4四半期のシンガポールGDP、前期比年率+5.7% 予想上回る

2016年1月4日(月)11時03分

[シンガポール 4日 ロイター] - シンガポール通産省が発表した第4・四半期の国内総生産(GDP)速報値は、季節調整済みの前期比年率5.7%増で、ロイター調査による予想の1.7%増を大幅に上回った。サービスセクターや建設セクターの高い伸びが寄与した。

前年比は2.0%増で、こちらも予想の1.3%増を上回った。

ただ、世界的な需要低迷で製造業セクターが打撃を受け、2015年通年のGDPは2.1%増と、2014年の2.9%増から減速し、2009年以来の低い伸びとなった。

第4・四半期はサービスセクターが6.5%増、建設セクターは7.0%増と大きな伸びを示した。サービスセクターは卸売・小売、金融・保険などがけん引。建設セクターの伸びは公共セクターの建設活動が上向いたことが支援した。

一方、製造業セクターは3.1%減だった。

RBSのエコノミストは「(GDPは)予想を上回ったものの、潜在成長率を引き続き下回っており、現在アジアでは『あまり強くない』成長シナリオが存在している」と指摘した。

GDP統計発表を受け、シンガポールドルは対米ドルで上昇し、1米ドル=1.4155シンガポールドルの高値をつけた。発表前は1.4190シンガポールドル。

政府は2016年のGDPについて1.0─3.0%増を見込んでいる。

低インフレと世界経済の低迷を背景にシンガポール金融管理局(MAS)は昨年、金融政策を2回緩和した。次回の政策見直しは4月。

OCBCバンクのトレジャリーリサーチ担当責任者セレナ・リン氏は「政策変更は現時点で予想していない。昨年すでに2回緩和しており、3回目の緩和を正当化するにはインフレや成長率の一段の鈍化が必要になるだろう」との見方を示した。

*内容を追加します

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