異常気象による食糧危機、発展途上国で深刻度増す=国連

2015年11月27日(金)11時11分

[ローマ 26日 ロイター] - 国際連合食糧農業機関(FAO)は26日に公表したリポートで、干ばつや洪水などの悪天候は30年前よりも頻発しており、発展途上国の食糧危機が深刻化していると指摘した。

FAOによると、2003─13年に起きた自然災害による被害は1兆5000億ドルと、オーストラリアの年間国内総生産(GDP)を上回る。また、自然災害の起きる頻度は1980年代と比較してほぼ2倍になっている。

被害は農業への依存度が高い発展途上国で特に大きく、FAOはケニアで起きた干ばつが食糧加工にもたらした被害のほか、パキスタンの洪水で綿や米の生産に影響が出た例を挙げた。

世界の人口は現在推計約73億人で、そのうち約25億人が農業で生計を立てている。一方、FAOによると、2003─13年に行われた政府などによる開発支援で、農業部門に振り向けられた資金は全体の4.2%に過ぎない。FAOはこの割合が10%に達することを目指している。

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