トランプ氏の米コメディ番組出演、人種差別発言で取りやめ求める声
2015年11月5日(木)16時31分
[4日 ロイター] - 米国の移民改革を推進する団体などは、今週末にNBCの人気コメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ(SNL)」への出演が予定されている不動産王ドナルド・トランプ氏について、メキシコ移民への差別的な発言を理由に、番組での起用を取りやめるようNBCに求めている。
トランプ氏は6月に大統領選への出馬を表明した時に、メキシコ人は米国に麻薬や犯罪を持ち込む、などと発言。その後もメキシコ人に対する差別的な発言が相次いでいる。
移民規制緩和を支持する団体アメリカズ・ボイスのデジタル・キャンペーン・マネジャー、ホアン・エスカランテ氏は、SNLやNBCが人種差別をネタにコメディができると考えているのは恥ずべき行為だ、と批判。SNLの製作プロデューサーやNBC幹部は視聴者の尊厳よりも視聴率を優先している、と指摘した。同団体は、オンラインで集めた46万以上の嘆願書をNBCに提出する計画。
社会変革のために活動する団体クレドも、NBCがトランプ氏の人種差別的な姿勢を支持することを手助けしているとしたら、無責任で危険な行為だと批判した。
米国の人口全体に占めるヒスパニック系の割合は約17%。2012年の大統領選では、有権者のうち約10%がヒスパニック系だった。2004年以降、大統領選では毎回民主党がヒスパニック系の支持を多く集めている。共和党はヒスパニック争奪戦での巻き返しを図っており、トランプ氏の発言に対しては党内からも反発の声が上がっている。
- 1/1