米討論会でクリントン氏に高評価、バイデン氏の決断に影響も

2015年10月14日(水)19時03分

[ワシントン 14日 ロイター] - 13日夜に行われた来年の米大統領選をめぐる民主党の候補者討論会では、前国務長官のヒラリー・クリントン氏(67)がアナリストの高評価を獲得した。

ラスベガスで開かれた討論会を聞いた民主党のストラテジスト、ロデル・モリノー氏は「ヒラリー氏の支持者ならば、討論会を聞いて非常に安心したのではないか」と指摘。「情勢の形成につながるような討論会だった」と述べ、クリントン氏の機敏かつ印象的な受け答えが、私用メール問題をめぐる党内の懸念を和らげたのではないかと評価した。

上院議員のバーニー・サンダース候補(74)は私用メール問題をささいなことだと指摘し、クリントン氏の弱点を攻め込むこともなかった。

民主党の指名争いではバイデン副大統領(72)が名乗りを上げるかどうかに注目が集まっているが、クリントン氏の強さを考慮すると出馬の余地が狭まったといえそうだ。

<メール問題で助け舟も>

討論会の席上で最有力候補のクリントン氏は、在任中に公務で私用メールアドレスを使っていた問題について、私用メールアドレスの利用は間違っていたとしながらも、有権者にとって重要な政策の問題に注力したいと強調した。

これに対し、指名を争うサンダース氏が「有権者もあのくだらないメール問題には飽き飽きしている」とクリントン氏に助け舟を出すと、会場には拍手が沸き起こり、2人が笑顔で握手する場面もあった。

サンダース氏は、クリ ントン氏の夫のビル・クリントン元大統領が1990年代に金融機関の規制緩和を進めたことを批判。「議会がウォール街を規制するのではなく、ウォール街を 議会を規制している」と訴えると、クリントン氏は大手銀行を批判するだけでなく、総合的で厳格な対応が必要だと応じた。

クリントン氏は、環太平洋連携協定(TPP)について、米国民の賃金上昇につながるとは思えないとの認識も示した。

サンダース氏は、候補者選びの序盤戦の1つとなるニューハンプシャー州の世論調査でトップに立つなど、最有力候補のクリントン氏を追い上げている。

*情報を追加しました。

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