豪中銀の声明全文

2015年9月1日(火)14時23分

[シドニー 1日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が1日、政策理事会後に発表した声明は以下の通り。

政策理事会はきょうの会合で政策金利のオフィシャルキャッシュレートを2.00%に据え置くことを決定した。

世界経済は、最近、中国と東アジアの状況がいくらか一段と弱まったものの、米経済のより強い成長とともに、緩やかなペースで成長している。主要コモディティ(商品)価格は1年前よりも大幅に値下がりしており、オーストラリアからも含めて、供給の拡大をある程度反映している。オーストラリアの交易条件は悪化している。

米連邦準備理事会(FRB)は今後政策金利を引き上げ始めると見込まれているが、一部のその他主要中央銀行は緩和策を継続している。株式市場は、中国の動向に関連し、最近より大幅に変動しているが、他の金融市場は比較的安定している。大半のソブリンや信用力のある民間の借り手に対する長期の借り入れ金利は引き続き際立って低水準となっている。全般的に世界の金融状況は引き続き非常に緩和的だ。

オーストラリアでは、経済の緩やかな成長が続いていることが入手可能な情報の大半で示されている。成長はある程度の期間、長期平均を若干下回る一方で、ここ1年のより強い雇用の伸びと安定的な失業率を伴っている。

国内の物価上昇圧力は限られており、全般的に国内経済は当面、余剰生産能力を抱えることになるだろう。したがってインフレ率は、たとえ為替相場が下落したとしても、今後1─2年、引き続き目標と一致した水準にとどまるとみられる。このような状況において金融政策は緩和的でなければならない。

低金利は借り入れと消費を支援している。企業向けの貸し出しが拡大するなか、住宅市場向け貸し出しの伸びはここ数カ月安定しており、全体として信用は緩やかに伸びている。

シドニーでは住宅価格が引き続き大幅上昇し続ける一方、他の多くの都市では様々なトレンドが見受けられる。RBAは住宅市場に起因すると考えられるリスクを評価し、食い止めるために他の当局と協力している。

その他の資産市場では、商業用不動産価格が長期金利の低下に支援されている一方、株価は最近下落し、世界市場の動向に伴い変動が大きくなっている。主要コモディティ価格の大幅な下落に伴い、豪ドル相場は調整している。

理事会は今回の会合で、政策金利を据え置くことが適切と判断した。今後受け取る経済・金融状況に関する情報によって、理事会の見通しに対する評価と現在の政策スタンスが持続可能な成長と目標に沿ったインフレ率を達成するために最も効果的かどうかが判明するだろう。

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