貴金属ファンドから12億ドル流出、2013年12月以降で最大=調査

2015年8月3日(月)13時18分

[ニューヨーク 31日 ロイター] - バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ・グローバル・リサーチの調査リポートによると、7月29日までの週に金の現物を中心とする貴金属に投資するファンドから12億ドルの資金が流出し、流出額は2013年12月以降で最大となった。米国の利上げ観測と中国株安が影響した。

調査にはファンド調査会社EPFRグローバルのデータも含まれる。

株式ファンドへは4週連続の流入となったが金額はわずか2億ドルにとどまった。債券ファンドは3週間ぶりの流出で、流出額は4億ドルだった。

金相場は24日に約5年半ぶりの安値となる1オンス=1077.00ドルまで下落した。

米連邦準備理事会(FRB)がほぼ10年ぶりに政策金利の引き上げを実施する見通しとなり、金利のつかない金に代わって利回りが上がる国債の需要が高まるとみられているため、今年の金価格は苦しい展開となっている。

さらに中国株の下落に関連して、この1週間に金の売り圧力は強まった。上海総合指数は7月27日に8年ぶりの大幅な下落を記録し、8.5%安となった。

バンカメのストラテジストは「米国の利上げとドル高に向け、投資家は金とクレジットを売って日本株と欧州株を買うポジションを取っている」と指摘した。

日本株ファンドは、8週間ぶりの流出となった前週(流出額は5億ドル)から、18億ドルの流入に転じた。欧州株は29億ドルの流入で、11週連続の流入となった。

中国株に特化したファンドは12億ドルの流出で3週連続の流出だった。

米国株ファンドは、S&P500株価指数が0.3%下落する中で22億ドルの流出だった。

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