NZ中銀総裁が追加利下げ示唆、「NZドルは下落する必要」

2015年7月29日(水)09時04分

[ウェリントン 29日 ロイター] - ニュージーランド準備銀行(中央銀行、RBNZ)のウィーラー総裁は29日、減速する経済を支援し、インフレ率を目標水準に戻すためにさらなる利下げが必要になるとの見解を示した。

同総裁はインフレ率は来年半ばごろに目標水準に回復するとの見通しを示すとともに、ニュージーランドドルはさらに下落する必要があると指摘した。

ある企業団体向けの講演で「オフィシャル・キャッシュレート(OCR)の今後の道筋は、一連の指標に加え、経済見通しに関するわれわれの評価、中銀の物価安定目標達成に必要な金利水準に関する判断に左右される」と述べた。

発言を受け、ニュージーランドドルは対米ドルで上昇し、一時2週間ぶり高値を付けた。

ウィーラー総裁はニュージーランド経済の成長率は、商品価格の下落と低インフレによって潜在成長率を下回る年2.5%前後となっていると指摘。「経済成長率を潜在成長率付近で保ち、消費者物価指数(CPI)上昇率を中期の目標水準に戻すためには、一段の金融緩和が求められる可能性がある」と述べた。

インフレ率については、向こう9─12カ月で中銀が目指す1─3%の中間値に徐々に戻るとの見方を示した。6月末時点のインフレ率は0.3%。

市場では、9月10日の金融政策決定会合で25ベーシスポイント(bp)の利下げが、年末までにさらに25bpの利下げが予想されている。

ウィーラー総裁は、大幅な追加利下げ観測については「経済がリセッション(景気後退)に向かっている場合にのみありうる」と述べた。

ニュージーランド中銀は先週、景気減速と低インフレを理由に政策金利を3%に引き下げ、追加利下げの可能性を示唆していた。

総裁は講演で、ニュージーランドドルは過去3カ月で約14%下落したが、現在の環境下では依然高すぎると指摘。「輸出商品価格の下落と向こう2年の対外純債務の悪化が予想されていることを踏まえると、為替レートのさらなる下落が必要だ」と述べた。

さらに、米国と英国の利上げ観測もニュージーランドドルに対する圧力になるとの見方を示した。

*内容を追加しました。

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