香港、選挙制度改革法案を否決

2015年6月18日(木)19時23分

[香港 18日 ロイター] - 香港立法会(議会)は18日、次期行政長官選挙に向けた制度改革法案を否決した。同法案は民主派が事実上立候補できない仕組みになっており、民主派議員や活動家が批判していた。否決は予想通りだった。

採決は予定より早く実施された。採決直前に親政府派・親中派の議員が突然議場から退場、採決時に議場にいたのは議員70人のうちわずか37人で、28人が反対票、8人が賛成票を投じた。1人は棄権した。

採決に先立ち、香港政府庁舎前には多数の親中派支持者が集まっていた。

ただ、制度改革法案を支持するよう民主派議員に圧力をかけていた中国の指導者にとって否決は打撃となった。

米国家安全保障会議(NSC)のアリスター・バスキー報道官は、「米国は、『一国二制度』下での高度の自治に基づいた香港の安定と繁栄に関心を示す」と指摘。香港市民は行政長官の選出で「有意義な選択肢」を与えられるべきだと述べた。

オーストラリア・アンド・ニュージーランド銀行(ANZ)のシニアエコノミスト、Raymond Yeung氏はリサーチノートで、香港政府の信頼性が損なわれ、政治的な対立がビジネス環境を悪化させる可能性はあると指摘したが、金融市場には、ただちに影響はみられないと述べた。

*内容を追加します。

  • 1/1

今、あなたにオススメ

今、あなたにオススメ