現在のルピア相場、競争力ある=インドネシア中銀幹部

2015年2月27日(金)20時02分

[ジャカルタ 27日 ロイター] - インドネシア中央銀行のアディチャスワラ上級副総裁は27日、現在のルピア相場には競争力があると指摘し、ルピアの下落に満足しているとの考えを示唆した。

ルピアはこの日、1ドル=1万2940ルピアと1998年8月以来、ほぼ17年ぶりの安値圏に下落しており、中銀は必要があれば介入する姿勢も示した。

ルピアは米国での利上げが早期に実施されるとの観測があらためて広がったことを受け、他のアジア通貨と同様に売り圧力にさらされている。

アディチャスワラ上級副総裁は記者らに対し「インドネシア経済について心配する必要はない。ルピアは良い状態にあり、中銀は通貨防衛のためにいつでも介入する用意がある」と述べた。

中銀関係者は、ルピア安の要因は幅広い通貨に対してドル高が進んだためであり、今年実際には上昇しているとみている。中銀のデータによると、ルピアの実効レートは2014年初めから上昇している。

上級副総裁は、外国人投資家はインドネシア経済の見通しに引き続き確信を持っていると主張。年初来の株式・債券市場への資金流入は53兆ルピア(41億ドル)と、前年比77%拡大したと説明した。

さらに、インフレ率は1月の6.96%から2月には6.5%未満に低下するとの見通しも示した。

上級副総裁はロイターに「製造品の輸出を支援し、非製造品の輸入を減らすため、競争力のある為替レートが必要だ」と指摘。「ルピアが下落したため、現在の為替レートには競争力がある」と述べた。

中銀は先週、25ベーシスポイント(bp)の利下げを決定しており、アナリストは目先さらにルピア安が進む可能性があると指摘している。

スタンダード・チャータード銀行のエコノミスト、Eric Sugandi氏は、3月に25bpの追加緩和を見込んでいると表明。「利下げは第2・四半期より第1・四半期の方が良いだろう。第2・四半期には季節要因による経常赤字の拡大を予想している」と話した。

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