米中古住宅販売1年ぶり低水準、ハリケーン被害重しに

2017年9月21日(木)01時02分

[ワシントン 20日 ロイター] - 全米リアルター協会(NAR)が発表した8月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比1.7%減の535万戸となった。

供給不足が続くなか、大型ハリケーン「ハービー」の被害を受けたテキサス州ヒューストンが落ち込んだことで、販売戸数は前年8月以来の低水準となった。

市場予想は0.3%増の546万戸だった。7月の販売戸数は544万戸と、改定はなかった。

ハリケーン「ハービー」は8月最終週に米南部のテキサス州を直撃。NARによると、この影響でヒューストンでの販売が前年比25%減少した。NARはヒューストンを統計から除けば、8月の販売戸数は横ばいになったとしている。

地域別で見ると、南部の販売は5.7%減少。「ハービー」に続き今月に入ってからハリケーン「イルマ」がフロリダ州を直撃。テキサス州とフロリダ州の中古住宅販売は全体の18%以上を占めているため、9月の販売状況にも影響が出る可能性がある。

ただ需要に供給が追いついていないことで、ハリケーン襲来前も住宅市場は減速しつつあった。8月の販売は前年比では0.2%増。在庫がひっ迫するなか、住宅価格の上昇が所得の上昇を上回り、住宅販売は今年に入ってから事実上停滞している。

NARによると、市場に出回った中古住宅の戸数は8月は2.1%減の188万戸。供給は前年比6.5%減少し、在庫は前年比で27カ月連続で減少した。

この結果、販売価格中央値は25万3500ドルと前年同月比5.6%上昇。上昇は66カ月連続となる。これに対し、所得の伸びは2.5%を超えていない。

在庫が市場に出回っている期間は30日と、前年同月の36日から短縮。8月は初めての住宅購入者の割合が前月の33%から低下し、過去1年間で最低となった。

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