欧州成長率見通し、米国に並ぶ 世界経済が同時に拡大=OECD

2017年9月20日(水)19時05分

[パリ 20日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)は20日、ユーロ圏の経済成長率見通しが米国に並び、主要国の経済成長率が数年ぶりの水準で同時に拡大しているとの見方を示した。

世界経済の成長率見通しは今年で3.5%、来年で3.7%。6月予想からやや上方修正され、2011年以来の高成長を記録するという。

OECDの首席エコノミスト、キャサリン・マン氏は「短期的な勢いが広範囲に広がっており、世界中が一方向にまとまりつつある」と指摘。「(経済が)同時に上向いていることは、投資を検討している企業にとって重要なシグナルになる」と述べた。

ユーロ圏の今年の成長率見通しは6月時の1.8%から2.1%に上方修正され、米国の2.1%成長と並んだ。

フランスは1.3%から1.7%に、イタリアは1.0%から1.4%に上方修正された。

マン氏は、ユーロの対ドルでの年初来上昇率が13%に達しているが、強固な世界需要が輸出を押し上げたため、ユーロ圏の成長率を後退させることはなかったと分析した。

英国の今年の成長率見通しは1.6%と前回予想から据え置き。欧州連合(EU)からの離脱に苦戦しているという。

OECDは米連邦準備理事会(FRB)の金融政策について、段階的な利上げを継続し、バランスシート縮小を迅速に開始すべきと指摘。一方、欧州中央銀行(ECB)に対しては、マイナス金利政策を解除する前に資産買い入れ政策を縮小し続けなければならないとした。

しかし過熱気味の金融市場が失速し、インフレ目標の達成が難しい状態が続く場合、中銀は政策を再考する必要があるだろうとの見方を示した。

OECD加盟国以外では、インドの成長率見通しが前回の7.3%から6.7%に下方修正された。財・サービス税に対する改革が影響するという。

一方、中国の今年の成長率見通しは17年は6.8%に、18年は6.6%に上方修正した。

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