ユンケル欧州委員長の改革案、共通ビジョン構築促すべき=EU当局者

2017年9月20日(水)12時26分

[ウィーン 19日 ロイター] - ユーロ圏財務相(ユーログループ)・ワーキング・グループのトーマス・ヴィーザー議長は19日、欧州委員会のユンケル委員長が打ち出した改革案について、詳細に関する論争を呼ぶのではなく、英国離脱後の欧州連合(EU)域内の共通ビジョン構築のきっかけとなるべきとの見方を示した。

ユンケル委員長は先週欧州議会で行った施政方針演説で、ドイツとフランスが示している英国離脱後のユーロ圏機関の見直し案に異議を唱え、EU予算を通じたEUやユーロ圏の資金調達を包括的に監督するEU財務相の創設を提唱した。

ユンケル氏は、EU財務相はユーロ圏すべての財務相の議長役となり、欧州議会に対して説明責任を負うと説明。ユーロ圏を拡大し、協力関係を強化する同氏の案は各国でさまざまな反応を呼び、活発な議論につながった。

ヴィーザー議長は、ウィーンでのパネル討論で「彼(ユンケル氏)は今後20年、30年の大きなテーマについて演説した。しかし、多くの国は(その改革が)まるで来年に見込まれているかのように受け止め、誤った解釈をした」と指摘。

「全般的な問題を議論する前に、詳細に関する論争が多過ぎる印象がある」と語った。

さらに「本質的な議論は、われわれが今後のEUに中央集権主義、連邦主義を望むか、各国の政府や議会が管理する、より分権的なEUを望むかだ」と指摘。

EU首脳らはこれらの問題を今年12月と来年3月の会議で議論し、枠組みでの合意を経て、EU当局者に具体的な改革案の策定を指示すべきとの見解を示した。

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