米国株は主要3指数とも終値で最高値更新、FOMC声明に注目
[19日 ロイター] - 米国株式市場では主要3指数がそろって小幅高となり、終値ベースの最高値をそれぞれ更新した。米連邦公開市場委員会(FOMC)が始まり、会合後の声明が注目される中、金融株が上昇して相場全体を押し上げた。
今回のFOMCでは、米連邦準備理事会(FRB)のバランスシート縮小開始の時期が発表される見通し。今回は利上げが予想されていないため、12月の利上げの是非を占う上でイエレンFRB議長が最近のインフレ動向をどうみているかにも市場の注目が集まっている。
LPLフィナンシャルのシニア・マーケットストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「市場はFRBが経済や今後の利上げに関して見解を示すのを待っているようだ」と指摘。「FRBが(バランスシートの縮小開始を)先送りする場合、市場はこれを嫌気して、金融株が売られる可能性がある。市場は不確実性を好まないかもしれない」と述べた。
投資家は、FRBがバランスシート縮小を開始すれば長期債の利回りが上昇し、銀行の利益拡大につながる可能性があると見込んでいると同氏は述べた。
ダウ工業株30種は6営業日連続で終値ベースでの最高値を更新。S&P総合500種は過去6営業日中5営業日で終値での最高値を更新したことになる。ナスダック総合は9月13日終値以来の最高値更新となった。
S&Pの主要11セクターのうち、金融や電気通信など6セクターが上昇して終了。金融株は過去8営業日中7営業日で上昇し、上昇率は6%に達している。
この日最も上昇したのは電気通信セクター。企業の合併観測が材料となった。
ソフトバンク傘下の米携帯電話大手スプリントと米同業のTモバイルUSは、合併協議が進行中との報道を受けて急伸。スプリントは6.8%、Tモバイルは5.9%上昇した。
米通信大手のベライゾン・コミュニケーションズとAT&Tはともに2%超上昇した。
半面、下げが目立ったのはヘルスケアセクター。
共和党のグラム、カシディ両上院議員が策定した医療保険制度改革(オバマケア)改廃への「最後のチャンス」とされる案を巡り、上院の2委員会は来週公聴会を開くと発表。9月の期限までにオバマケア改廃法が成立する可能性が高まったことを受け、ユナイテッドヘルス・グループなど医療保険株が軒並み売られた。
米家電量販最大手ベスト・バイは8%安。2021年度調整後利益見通しが市場予想を大きく下回ったことを受けた。
米電気自動車(EV)大手テスラは2.6%安。ジェフェリーズが投資判断「アンダーパフォーム」で同社のカバレッジを開始した。
騰落銘柄数は、ニューヨーク証券取引所では上げ銘柄が下げ銘柄を上回り、比率は1.09対1だった。ナスダックでも1.04対1で上げが下げを上回った。
米取引所の合算出来高は約58億株。直近20営業日平均の59億株を下回った。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 22370.80 +39.45 +0.18 22349.70 22386.01 22340.71
前営業日終値 22331.35
ナスダック総合 6461.32 +6.68 +0.10 6465.57 6467.79 6446.75
前営業日終値 6454.64
S&P総合500種 2506.65 +2.78 +0.11 2506.29 2507.84 2503.19
前営業日終値 2503.87
ダウ輸送株20種 9507.08 -7.56 -0.08
ダウ公共株15種 736.69 -2.02 -0.27
フィラデルフィア半導体 1164.98 +4.08 +0.35
VIX指数 10.18 +0.03 +0.30
S&P一般消費財 710.84 -0.35 -0.05
S&P素材 355.32 +1.87 +0.53
S&P工業 595.43 +0.48 +0.08
S&P主要消費財 567.52 -1.57 -0.28
S&P金融 419.31 +3.32 +0.80
S&P不動産 201.28 -2.10 -1.03 <.SPLRCREC
>
S&Pエネルギー 491.73 +1.84 +0.37
S&Pヘルスケア 948.03 -7.50 -0.78
S&P電気通信サービス 159.99 +3.52 +2.25
S&P情報技術 1018.40 +3.80 +0.37
S&P公益事業 274.58 -0.59 -0.22
NYSE出来高 8.09億株
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 20180 + 30 大阪比
シカゴ日経先物12月限 円建て 20150 0 大阪比
*内容を追加して再送します。
(ロイターデータに基づく値です。前日比が一致しない場合があります)
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