中国政府関連ファンドの米ラティス買収、トランプ大統領が阻止

2017年9月14日(木)15時31分

[13日 ロイター] - トランプ米大統領は13日、中国政府を後ろ盾とする買収ファンド、キャニオン・ブリッジ・キャピタル・パートナーズによる米半導体メーカー、ラティス・セミコンダクターの買収を阻止する大統領令を発表した。

軍事目的で利用される可能性のある技術が絡む買収案件には反対するという明確な姿勢を中国側に示した格好だ。

トランプ氏は大統領令でラティスとキャニオン・ブリッジに対し、30日以内に同案件を「完全かつ永久的に破棄するための必要な措置」をとるよう命じた。

キャニオン・ブリッジとラティスは、対米外国投資委員会(CFIUS)による承認を求めて3度にわたり申請を行ったものの、承認を得られず、大統領に直接要請していた。

ムニューシン財務長官は声明で「CFIUSと大統領は、この案件が米国の国家安全保障に対し、軽減措置を通じて解決し得ないリスクをもたらすと判断した」と述べた。

また、国家安全保障リスクについて、知的財産が流出することや、中国政府が案件の後ろ盾となっていること、米政府への半導体サプライチェーンの保全が重要であること、米政府がラティス製品を使用していることなどに関連していると説明した。

中国商務省の報道官は、14日の記者会見で「慎重に扱うべきセクターへの投資について安全保障上の審査を実施することは国家の正当な権利だが、保護主義を推進するツールになってはならない」と指摘。

米国が中国企業による買収案件について客観性を持ち、これら企業の「通常の商業慣行」を公正に扱うよう望むと表明した。

ラティスとキャニオン・ブリッジは13日夜に出した共同声明で、案件を破棄したことを明らかにした。

ラティスは利益率の高い成長の達成にコミットする方針も示した。

キャニオン・ブリッジはこれより前に出した声明で、米側の決定に遺憾の意を表明し、案件について「ラティスの株主と従業員にとってすばらしい取引」との見解を示していた。

*内容を追加しました。

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