NY市場サマリー(13日)

2017年9月14日(木)06時49分

[14日 ロイター] - <為替> 8月の米卸売物価指数(PPI)が一転上昇したことを受け、終盤のニューヨーク外為市場はドルが上昇した。

連邦準備理事会(FRB)が次の利上げ時期を探る中、14日公表予定の8月消費者物価指数(CPI)に注目が集まる。

ドル指数が0.6%高の92.435。一時92.53まで上昇し、約1週間ぶりの高値をつけた。リスク選好の改善に伴い、ドル指数は今週上昇していた。PPI統計を受け、上昇が加速した。

ドルは対ユーロでも上昇した。ユーロ/ドルは0.68%安の1.1884ドル。主要なテクニカル水準とされる1.1950ドルを割り込むと、ユーロの下げが加速した。

英ポンドは中銀金融政策委員会の結果を翌日に控え、利益確定の売りが出て値下がりした。

米労働省が発表した8月PPI(最終需要向け財・サービス)は前月比0.2%上昇した。市場予想の0.3%上昇を下回ったが、7月(0.1%下落)からプラス圏に再浮上した。

米PPIについて、ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツの世界市場戦略責任者、カール・スカモッタ氏は「上昇に転じたこと自体、国内景気が基調的な勢いを保つことを示している」と指摘。「全体的な需要動向は非常に底堅く、実体経済の需要増大に物価が反応し出しつつある」と話した。

ドル高について、TD証券のシニア通貨ストラテジスト、マゼン・イッサ氏は、翌日公表のCPIが堅調な内容になるとの市場期待が一因とも指摘した。

<債券> 国債利回りが上昇。指標10年債利回りは2週間半ぶりの高水準をつけた。大規模な国債入札や社債発行が相次ぐ中、債券の保有を減らす動きが目立った。

アナリストの間からは、米株価が過去2営業日堅調に推移していたことも利回り上昇を支援したとの声が聞かれた。

ボヤ・インベストメント・マネジメントの債券・首席投資責任者、マット・トムズ氏は「市場参加者は2.10-2.30%の(10年債)利回りレンジが心地良いと感じている。このレンジを抜けるには新材料が必要」との認識を示した。

30年債利回りは2.792%と、3週間ぶりの高水準近辺を推移した。午後に実施された総額120億ドルの入札がさえない内容となったことを受けた動き。

米財務省は今週、総額560億ドルの国債入札を実施。過去2日に実施された3年債、10年債もともに低調な結果に終わっている。

ストーン&マッカーシー・リサーチ・アソシエーツの市場ストラテジスト、ジョン・キャナバン氏は、利回りが低水準にあることを踏まえ、軟調な地合いになっていることを指摘した。

IFRによると、起債市場も活況で、投資適格級と高利回り社債の発行による調達額は今週約260億ドルに達した。

朝方発表された8月の米卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.2%上昇。ただ、伸びは市場予想の0.3%上昇には届かず、米インフレ率が予想以上に長期間、米連邦準備理事会(FRB)の目標である2%を下回って推移するとの見方を支えた。

前出のボヤのトムズ氏はインフレ率が上昇するとの確証は存在せず、長期債利回り上昇抑制の一助になるとの見方を示した。

<株式> 小幅続伸し、主要3指数がそろって終値での最高値を更新した。アップルの下落が重しとなったが、一般消費財関連やエネルギー株の上昇がこれを相殺した。

アップルは0.8%安。前日に発表した新型スマートフォン(スマホ)「iPhoneX」について、価格が高過ぎるほか、発売日が予想より遅いとの懸念から売られた。

エネルギー株は、国際エネルギー機関(IEA)が世界の過剰原油在庫は縮小し始めていると指摘したことを手掛かりに上昇した。

<金先物> 外国為替市場でドル高・ユーロ安が進行し、割高感などから売りが出て3日続落した。 中心限月12月きりの清算値は前日比4.70ドル(0.35%)安の1オンス=132 8.00ドルとなった。

<米原油先物> 米国内外の需給引き締まり期待が高まる中で買われ、続伸した。米国産標準油種WTIの10月物の清算値は前日比1.07ドル(2.22%)高の1バレル=49.30ドルと、中心限月ベースで8月9日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。11月物は1.00ドル高の49.75ドルとなった。

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