欧州市場サマリー(8日)

2017年9月9日(土)03時29分

[8日 ロイター] - <為替> 年内の米追加利上げ観測が後退し、ドルが対円で一時、107.33円と約10カ月ぶり安値をつけた。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が為替相場をけん制できなかったと受け止められ、ユーロ/ドルは2015年1月以来の高値を記録した。

外為市場:[USD/J]

<ロンドン株式市場> 反落して取引を終えた。鉱業株が売られたほか、パブ運営・醸造会社のグリーンキングの軟調な決算を受け消費関連株が値を下げた。

銅の値下がりに伴い銅生産会社アントファガスタと資源大手BHPビリトン、同アングロ・アメリカンは全て3%を上回る落ち込みとなった。

中型株のグリーンキングは15.7%急落し、5年ぶりの安値となった。パブでの売り上げが減少したほか、今後も厳しい環境が続くとの見通しを示した。英国が欧州連合(EU)離脱を決めて以降、物価が上昇しており、賃金の伸びが弱いことと合わさって個人消費が抑制されている。パブやレストラン、小売業の重しとなっている。

同業のミッチェル・アンド・バトラーズと、JDウェザースプーン、マーストンズは2.6%から8.5%の連れ安となった。

FT100種は週間ベースで約0.8%安だった。今週は欧州中央銀行(ECB)の理事会が注目され、慎重な相場展開が続いた。

こうした中、STOXXユーロ圏銀行株指数はこの日0.77%上昇。ECBが資産買い入れプログラムを縮小する準備をしていることを示唆し、銀行株の買い材料となった。

ハーグリーブス・ランズダウンの株式アナリストは「ここ数年は、金利が現状水準ほどに低かったことが銀行の痛手となっていた。妥当な利ざやを得ることができないからだ」と述べた。

ロンドン株式市場:[.LJP]

<欧州株式市場> ほぼ横ばいで取引を終えた。ユーロ高を受けユーロ圏の株式相場が抑制されたものの、欧州中央銀行(ECB)が景気刺激策を縮小する見込みが銀行株の追い風となった。

STOXX欧州600種銀行株指数は0.85%上昇した。関係筋がロイターに話したところによると、ECBは7日の会合で、次に取るべき手段は景気刺激策の縮小開始との合意に至った。

銀行の貸付事業は金利上昇の恩恵を受ける。ユーロがドルに対して上昇し続ければ、ECBが金融引き締めを後にずらすかもしれないとの不安もあるが、Degroof Petercam GestionのLaurent Gaetani氏は一部の銀行株が値下がりしている今は安値拾いの好機だと指摘する。

パブ運営・醸造会社の英グリーンキングは15.7%急落。軟調な売り上げを発表したことが嫌気された。フランスの石油・化学製品貯蔵会社ルビーは4.1%安。上半期の業績が売り材料となった。

欧州株式市場:[.FJ]

<ユーロ圏債券> 国債利回りが上昇。7日開催の欧州中央銀行(ECB)理事会で、次のステップは資産買い入れ縮小とすることで幅広い合意に達したとのニュースが材料視されている。

関係筋の情報によると、ECB当局者は資産買い入れの月間400億ユーロあるいは200億ユーロへの縮小、延長期間を6カ月あるいは9カ月とする可能性など、4つの選択肢を討議した。

ソシエテ・ジェネラルのストラテジスト、キット・ジャックス氏は「緩和政策解除という可能性は十分に残されている」と指摘した。

ミズホの金利ストラテジスト、アントワーヌ・ブーベ氏は「市場ではECBが月間の買い入れ額を半年間400億ユーロに縮小するとの見方が大勢のようだ。ただ、200億ユーロに縮小される可能性も残されており、懸念材料となり得る」と語った。

前日の取引では、ECBが明確に債券買い入れ策の縮小予定を示さなかったとの見方が広がり、国債利回りは低下していた。

独10年債利回りは1.5ベーシスポイント(bp)上昇し0.32%。序盤には6月終盤以来の低水準となる0.29%近辺まで低下する場面もあった。

前日買われていた南欧債も売りを浴び、ポルトガル10年債利回りは7bp上昇し2.80%。序盤には1年1カ月ぶりの低水準となる2.70%をつけた。

スペイン10年債利回りは約6bp上昇し、1日の上昇率としては7月終盤以来の高さとなる勢い。

イタリア10年債利回りは5bp超上昇し1.96%。

ユーロ圏金融・債券市場:[DE/BJ]

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