欧州市場サマリー(6日)

2017年9月7日(木)04時52分

[6日 ロイター] - <為替> カナダ銀行(中央銀行)の予想外の利上げを受け、ドルが対カナダドルで約2年ぶりの安値を更新した。ドルはその他の通貨に対してはやや軟調。対円では一時108.47円と8日ぶり安値をつけたものの、その後はほぼ横ばいで推移している。

外為市場:[USD/J]

<ロンドン株式市場> 続落して取引を終えた。金融と住宅建設株が売られ全体水準を押し下げた。

金融が部門別でFT100種を最も大幅に押し下げた。HSBCとプルーデンシャル、バークレイズは0.7%から1.1%下落した。

住宅大手バラット・デベロップメンツは4.6%下落し、FT100種で最も大きく落ち込んだ。決算発表時に、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)に伴う影響を引き続き「慎重に」注視すると発言したことが不安視された。

同業のバークレー・グループ・ホールディングスは2.5%下落した。ロンドンの不動産市場がブレグジットを巡る先行き不透明感と固定資産税の引き上げの影響を受け続けているとの見方を示したことが嫌気された。

同業のテイラー・ウィンペイも1.7%の連れ安となった。

ロンドン株式市場:[.LJP]

<欧州株式市場> 小幅反発して取引を終えた。欧州中央銀行(ECB)の理事会を控え慎重な相場展開となったものの、自動車銘柄が買われ相場を下支えした。

欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は4.3%上昇し、過去最高値をつけた。バークレイズが投資判断を引き上げたことが好感された。

ドイツの自動車大手ダイムラーは3.2%高。ゴールドマン・サックス(GS)が投資判断「買い」に引き上げたことが買い材料となった。

あるトレーダーは、投資判断の引き上げも自動車株の追い風となったものの、大手ファンドマネージャーは魅力的なバリュエーションを材料に同部門の持ち高を増やしていると指摘した。ドイツのメルケル首相がディーゼル車の販売禁止を一部の都市で回避しようとしていることも追い風となったと付け加えた。ハリケーンに見舞われた米テキサス州で洪水被害に遭った自動車を買い替える動きに伴う自動車需要の増加が見込まれていることも買い材料となっているという。

フォルクスワーゲン(VW)やダイムラーを含むドイツのクセトラDAX指数は0.75%上昇した。

STOXX欧州600種自動車・部品株は1.69%上昇した。

英ソフトウエア会社マイクロフォーカス・インターナショナルは6.2%上昇した。第3・四半期決算が買い材料となった。

一方、銀行株指数は0.27%低下した。ECBの理事会を7日に控え、改めて圧力がかかった。理事会では金融引き締めを巡るヒントがないかが注目されている。

欧州株式市場:[.FJ]

<ユーロ圏債券> 国債利回りが上昇。ドイツ国債利回りは朝方、約1週間ぶりの低水準をつけていたものの、原油価格の値上がりや翌7日の欧州中央銀行(ECB)理事会への警戒感から反発の動きとなった。

北海ブレント原油先物はこの日1.5%高の54.20ドルで推移。ハリケーン「ハービー」の影響で閉鎖していたメキシコ湾岸の製油所は徐々に操業を再開している。こうしたなかロシアのノバク・エネルギー相は、2018年の北海ブレント価格が1バレル=45─55ドルになるとの見通しを示したほか、石油市場は来年4月1日までに均衡するとの見解を明らかにした。

大和キャピタルマーケッツの経済調査部長、クリス・シクルーナ氏は「原油の上昇に利回りが追従しているほか、米国債利回りの大幅な低下で多少巻き戻しが出ている」と述べた。

ドイツ10年債利回りは1ベーシスポイント(bp)上昇の0.35%。一時1週間ぶり低水準となる0.325%をつけた。同2年債利回りは1.3bp上昇しマイナス0.77%。一時4月以来の低水準となるマイナス0.79%をつけた。

ECB理事会を翌日に控え、積極的な取引が手控えられた。理事会では出口戦略に影響を及ぼし得るともみられる最近のユーロ高を巡り、ECBが不快感を示すかどうかが注目されている。

メディオラヌム・アセットマネジメントのポートフォリオマネジャー、ロバート・スケルトン氏は「ECBは何も大きな変更がないよう慎重になると思う。ECBは為替動向に警戒している」と述べた。

周辺国債利回りも上昇。スペインの10年債利回りは3.4bp上昇の1.46%。

ドイツはこの日、5年債24億ユーロ相当を売却した。

ユーロ圏金融・債券市場:[DE/BJ]

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