欧州市場サマリー(21日)

2017年8月22日(火)04時09分

[21日 ロイター] - <為替> 北朝鮮を巡る地政学的緊張のほか、週内開催のジャクソンホール会合に注目が集まる中、ドルは円などに対して急落した。米韓両軍によるコンピューター・シミュレーションの合同演習が始まり、北朝鮮は核戦争への準備と批判した。

外為市場:[USD/J]

<ロンドン株式市場> 3営業日続落して取引を終えた。北朝鮮を巡る情勢懸念から金融株を筆頭に相場が下落。3カ月ぶりの安値に近づいた。

ここ2週間、米国と北朝鮮の緊迫が高まる中で世界的に株が売り込まれている。中でも金融株の値下がりが目立つ。HSBCホールディングスとバークレイズはこの日、0.3%と1.2%それぞれ下落した。

アクセンド・マーケッツのアナリスト、ヘンリー・クロフト氏は「地政学的緊張感が高まる際に打撃を受けるのは間違いなくリスク資産だ。それに加え、今後何が起きるかなど、英銀を取り巻く状況はまちまちだ。英中銀イングランド銀行が利上げする見込みは薄くなってきている」と述べた。

ロンドン株式市場:[.LJP]

<欧州株式市場> 続落して取引を終えた。朝鮮情勢の緊迫化懸念でリスク回避志向が強まった。

この日は米韓合同演習が始まり、アジア圏の株式相場が下落。欧州株式相場も連れ安となった。銀行株の値下がりが著しく、STOXX欧州600種銀行株指数は0.90%低下した。個別銘柄ではドイツ銀行やフランスのソシエテ・ジェネラル(ソジェン)、同BNPパリバ、同クレディ・アグリコルの値下がりが目立った。

こうした中、合併・買収(M&A)の動きが買い材料となり、相場の下落幅を圧縮した。欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は6.9%上昇し、19年ぶりの高値をつけた。中国の自動車メーカー、長城汽車がFCAの買収に関心を持っていると述べたことが材料視された。

欧州株式市場:[.FJ]

<ユーロ圏債券> ギリシャの国債利回りが低下した。フィッチ・レーティングスがギリシャ格付けを引き上げ、債務不履行の危険水域から同国が緩やかなペースだが、遠のいたことを改めて印象付けた。

ギリシャ5年債利回りは3.25%と、2009年以来の低水準に迫る場面があった。10年債利回りも一時5ベーシスポイント(bp)低下して5.58%をつけた。その後ほぼ横ばいで推移した。

格付け引き上げを受け、他の低格付け債市場の地合いが改善し、ポルトガル10年債利回りは2.73%と、1年ぶり低水準を更新した。

一方軟調な株式市場を受け、安全資産とされる債券市場の地合いが支えられ、ドイツ10年債利回りは0.39%と、1週間ぶりの低水準を記録する場面があった。 

ユーロ圏金融・債券市場:[DE/BJ]

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