ドル109円後半、米政権内の混乱などで戻りは鈍い

2017年8月17日(木)16時02分

[東京 17日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の109円後半。海外市場でドル安が進んだ流れを受け、ドルは東京市場でも一時109.67円まで下落した。109円半ばには実需筋のリーブオーダーもあるとされ、その後は底堅く推移したものの、午後3時までには110円台には戻れなかった。

ドルは早朝の110.20円台からじりじり値を下げ、午前11時にかけて109.67円まで下落した。トランプ米大統領による政策助言組織の解散に加え、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨がハト派的と受け止められたことなど、米国発のドル売り材料が意識された。取引の中心はCTA(商品投資顧問業者)などの短期筋で、実需の参加は限定的だったという。

ドルは同水準で下げ止まったものの、戻りは鈍かった。米政権内の混乱は長引くとみられ、「ドルはがんがん買っていく雰囲気ではない」(国内金融機関)という。北朝鮮情勢を巡り、21日に米韓が軍事演習を行うことで再び米朝間の緊張が高まる可能性も警戒されている。

一方、前日売られたユーロは1.17ドル後半で底堅く推移し、一時1.1790ドルまで上昇した。

ユーロは前日、米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれる年次シンポジウムで欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は政策変更を示唆しないとのロイターの報道を手掛かりに1.17ドルを下回り、1.1681ドルまで下落した。

ただ、市場では「機関投資家を含む幅広い参加者の間で、1.16ドル台はユーロの買いゾーンとの認識がある」(運用機関ファンドマネージャー)との声も上がっており、ユーロは引き続き底堅く、下値リスクは限定的との見方が聞かれた。

CMEグループのフェドウォッチによると、金利先物相場が織り込む12月会合での利上げ確率は約45%と、前日終盤(48%)から低下した。

きょうは、米国ではフィラデルフィア地区連銀業況指数、新規失業保険申請件数、鉱工業生産、コンファレンス・ボード景気先行指数などの発表がある。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 109.80/82 1.1777/81 129.33/37

午前9時現在 109.98/00 1.1772/76 129.49/53

NY午後5時 110.18/21 1.1768/72 129.65/69 

(為替マーケットチーム)

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