NY市場サマリー(11日)

2017年8月12日(土)07時04分

[11日 ロイター] - <為替> ドルが主要通貨バスケットに対して下落、対円では一時108円台後半に値下がりした。7月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが予想に届かなかったことを受け、連邦準備理事会(FRB)が年内の追加利上げに慎重になるのではないかとの見方が広がった。

7月のCPIの伸びは前月比0.1%と、市場予想の0.2%を下回った。ある市場関係者は「前日の卸売物価指数(PPI)に続きCPIも予想を下回ったことから、FRBが金融政策を今すぐ引き締める必要がないことは明白だ」と指摘。また別の関係者は「今後も統計が引き続き弱めに出るなら、市場は年内の据え置きを織り込み始めるかもしれない。今はまだそうした状況には至っていないが、統計が持ち直さなければ、すぐにもそうなる可能性がある」と述べた。

ドル/円は一時16週ぶりの安値をつけたが、その後は下げ渋る展開となった。ロシアのラブロフ外相が米朝間の緊張緩和に向けた中国との共同計画の存在を明らかにしたことが材料となった。ある関係者は「米朝の緊張は市場が最も望んでいないこと」とした上で、中ロの共同計画については大半の投資家が懐疑的だと話した。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 軟調なインフレ指標を受け国債利回りがやや低下した。7月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は0.1%上昇し、市場予想の0.2%上昇を下回った。市場では連邦準備理事会(FRB)が12月会合で、利上げを行うとの観測がさらに後退した。

同指標を受け、10・30年債利回りが6週間ぶり低水準をつけ、利上げ期待に最も敏感とされる2年債利回りは8週間ぶりの低水準に沈んだ。

5年債と30年債の利回り格差は105ベーシスポイント(bp)まで拡大した。利回り曲線の傾きが急になったことについてTD証券は、市場で12月利上げ観測がやや後退したことを示すと指摘した。

北朝鮮を巡る緊張緩和に向け、ロシアと中国による共同計画があるとロシアのラブロフ外相が表明したことを受け、長期債利回りはやや持ち直した。

エバコアISIのストラテジストは「市場が最も好ましくないと考えるのは、米朝間の緊張状態だ」と指摘。「中ロの緊張緩和策に懐疑的な見方が大勢を占めるが、優れた解決策が存在しない状況とも言える」と語った。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 主要3指数が揃って上昇して終了した。米国の利上げペースが予想よりも緩慢になるとの見方から買いが入ったものの、米朝間の緊張が一段と高まったことで上げ幅は限定された。

朝方発表された7月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は0.1%上昇となり、上昇率は市場予想の0.2%に届かず。物価圧力が弱いことが示され、連邦準備理事会(FRB)が年内再利上げに慎重姿勢を示す可能性がある。

こうしたなかこの日は北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)が「トランプ米大統領は朝鮮半島を核戦争の間際に追い込んでいる」とする声明を発表。これを受け、トランプ氏は「北朝鮮が浅はかな行動をとるなら、(米国の)軍事解決に向けた準備は完全に整っている」とし、北朝鮮の指導者、金正恩朝鮮労働党委員長が「別の道を模索するよう願っている」とツイートした。トランプ氏は午後に入り、北朝鮮が状況の重大さを認識するよう期待するとの考えも示している。

サントラスト・アドバイザリー・サービシズの首席市場ストラテジスト、キース・ラーナー氏は「北朝鮮情勢を巡る先行き不透明性が高いまま週末に突入することで、大きく買いを入れるインセンティブは見あたらなかった」としている。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 北朝鮮情勢の緊迫化や対ユーロでのドル安進行に伴う割安感などを背景に買いが 入り、3日続伸した。中心限月12月きりの清算値は前日比3.90ドル(0.30%) 高の1オンス=1294.00ドルと、前日に引き続き約2カ月ぶりの高値水準。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ドル売り・ユーロ買いの加速に伴う割安感に支えられ、反発した。米国産標準油 種WTIの中心限月9月物の清算値は前日比0.23ドル(0.47%)高の1バレル= 48.82ドル。ただ、週間では1.53%安と2週連続のマイナスとなった。10月物の清算値は0.22ドル高の48.97ドル。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

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