ドル/円に方向感出ず、米指標待ちムードも

2017年8月10日(木)15時36分

[東京 10日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてややドル安/円高の109.98/00円だった。北朝鮮を巡る地政学リスクへの警戒感がくすぶって上値は重かった。ただ、あす発表の米消費者物価指数(CPI)を待つムードもあり、明確な方向感は出なかった。

午後のドル/円は、小安く推移する日経平均を眺めながら、110円付近での小動きが続いた。地政学リスクへの警戒から地合いは弱いとみられ、一時109.90円に下落する場面があった。

市場が注目する、ニューヨーク連銀のダドリー総裁の発言機会については、どちらかといえばハト派寄りな発言によるネガティブな相場反応への警戒が必要だとの指摘もある。

従来通りにタカ派寄りの発言があればドル高の反応になりそうだが、現状ではデータによる裏付けがそろっておらず、上昇余地は限られるとみられる。

一方、足元の相場は、北朝鮮を巡る地政学リスクへの警戒がくすぶっており、地合いは脆弱な印象だとされる。このため、悪材料が出れば、下げが強まる恐れが意識されている。

米利上げの先行きを巡っては結局「あすの米CPIの方が重要」(邦銀)となりそうだ。

朝方のドル/円は、午前7時前に朝鮮中央通信が北朝鮮によるグアム攻撃計画を伝え、ドルはいったん109.90円まで下落。きょうの安値をつけた。

その後、日経平均の上げに連れ高となり110.18円まで上昇したが、株価が上げ幅を縮小すると、ドルもじりじり値を下げた。きょうは商業決済が集中しやすい五・十日で、実需筋のフローが入る可能性も指摘されていたが、実際には「目立ったものはなかった」(国内金融機関)という。

朝鮮中央通信の報道によると、北朝鮮は中距離弾道ミサイル4発をグアムに発射する計画を8月中旬までにまとめ、金正恩朝鮮労働党委員長に提示する方針。グアムに向かうミサイルは島根県、広島県、高知県の上空を通過するという。

米国と北朝鮮の間に有事が生じた場合、瞬間的にリスク回避の円買いが強まるとの見方が多いが、その後は「日本が直接攻撃の対象になる可能性を考えると、円は売られやすい」(金融機関)との声も出ていた。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 109.98/00 1.1732/36 129.05/09

午前9時現在 110.02/04 1.1761/65 129.41/45

NY午後5時 110.07/09 1.1757/61 129.42/46

(為替マーケットチーム)

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