ドル110円付近、クロス円は円売り一服で米雇用統計待ち

2017年8月4日(金)15時40分

[東京 4日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の110円付近。109円台では実需のフローがドルを押し上げたが、「ロシアゲート」を巡る報道に加え、米雇用統計を今夜に控えていることから上値を追うムードは高まらなかった。

朝方109.90円台で推移していたドルは、午前9時ごろに109.85円まで下押した。前日海外時間の米ISM非製造業総合指数の予想比下振れや、「ロシアゲート疑惑」関連の報道などがドルの重しとなった。

東京時間に久々の109円台を見たこともあり、仲値にかけて国内輸入企業のドル買い/円売りが盛り上がり、「午前9時台は買い注文ばかりだった」(国内金融機関)との声も出ていた。

ドルは正午にかけて110.18円まで押し上げられたが、午後は伸び悩んで110円付近で小幅な値動きとなった。

海外時間に米雇用統計の発表を控えているほか、トランプ米大統領の政権運営を巡る先行き不透明感もあり、「積極的にドルは買えない」(外為アナリスト)という。

複数の関係筋がロイターに明らかにしたところによると、昨年の米大統領選へのロシアの干渉疑惑を捜査しているモラー特別検察官は、ワシントンで大陪審を選定した。[nL4N1KP753]

ユーロ/円は130円後半で底堅かったが、2日つけた1年半ぶりの高値131.40円からは下落した水準。

最近の為替市場では、クロス円での円売りがドル/円の下値をサポートしていた側面があるが、「クロス円での円売り圧力も一服していることから、ドル/円の下方向が意識されやすい」(トウキョウフォレックス上田ハーローの阪井勇蔵氏)という。

円売り一服のきっかけは、前日、イングランド銀行(英中央銀行、BOE)が経済成長率の見通しを下方修正し、英国の早期利上げ観測が後退したこと。

英ポンドは146円半ばから144.36円まで急落し、他のクロス円も連れ安となった。午後3時時点の英ポンドは144.66/70円と低空飛行となっている。

米10年国債利回りは2.228/2.226%の気配で前日米国市場終盤と同水準。「2.20%を下回るとドル売りにつながりやすい」(阪井氏)という。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 110.06/08 1.1882/86 130.78/82

午前9時現在 109.88/90 1.1880/84 130.56/60

NY午後5時 110.02/07 1.1868/72 130.60/64

(為替マーケットチーム)

  • 1/1

今、あなたにオススメ

今、あなたにオススメ