日経平均は小幅続落、円高重荷 1カ月半ぶり安値水準

2017年7月31日(月)15時43分

[東京 31日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は小幅に続落した。1ドル110円台まで円高に振れた為替が重しとなったほか、値がさ株のソフトバンクグループ、ファナックなどの下落も指数の押し下げ要因となった。国内企業業績が総じて良好なことから押し目買いが入り、指数は一時プラスに転じる場面もあったが、買いは続かなかった。終値は6月15日以来、1カ月半ぶりの安値水準となった。

TOPIXも小幅続落。東証1部の売買代金は指数連動型ファンドのリバランス需要などが加わり、2兆9000億円強に上った。セクター別では鉄鋼が上昇率トップ。海運がこれに続いた。下落率トップは食料品だった。日経平均に対してはソフトバンクとファナック、ファーストリテイリングの3銘柄が合計で約59円の押し下げ要因となった。

前週末には稲田朋美防衛相が、南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題を巡り辞任を表明。国内の内閣支持率低下への警戒感に加え、トランプ米大統領による政権幹部の交代なども伝わり、米政権の政策実行力に対する懸念も広がった。

一方、日立や京セラ、武田薬品工業など、前週末に好決算を発表した銘柄の一角が上昇。日本株の支援材料になった。

市場では「政治情勢や円高に日本株の上値が押さえられている。指数はこう着する一方、企業決算を受けた個別物色が続きそう」(SMBCフレンド証券・チーフストラテジストの松野利彦氏)との声が出ていた。

個別銘柄ではこのほか、JTが反落。米食品医薬品局(FDA)が、たばこに含まれるニコチンの量を中毒性のない水準に引き下げることを目指すと表明した。規制案の発表を受け前週末の欧米市場では米フィリップ・モリス・インターナショナルなどが大幅安。規制による販売への影響を懸念した売りが出た。

半面、日本金属が急伸し、東証1部銘柄の上昇率でトップとなった。31日に発表した通期業績予想と年間配当予想の上方修正を材料視した。明日付で東証2部に降格となる東芝は一時7%を超す下げとなったが、大引けにかけて切り返し、前週末比2.8%高で取引を終了した。

東証1部騰落数は、値上がり685銘柄に対し、値下がりが1266銘柄、変わらずが72銘柄だった。

日経平均

終値      19925.18 -34.66

寄り付き    19933.45

安値/高値   19891.90─19983.90

TOPIX

終値       1618.61 -2.61

寄り付き     1618.99

安値/高値    1616.49─1624.86

東証出来高(万株) 233455

東証売買代金(億円) 29067.98

(長田善行)

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