正午のドルは110円後半、FOMC後の巻き戻しでドル安

2017年7月27日(木)12時24分

[東京 27日 ロイター] - 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の110.87/89円。FOMC声明が若干ハト派的だったとの認識から、FOMC前に膨らんだ投機筋のドル買い、米債券売りのポジションが巻き戻され、ドル安/米長期金利低下の流れとなった。

スポ末のこの日は、実需のフローも散見されたが売買交錯で、投機筋によるポジションの巻き戻しに飲み込まれた。

巻き戻しのきっかけは、FOMC声明が一部の投機筋が予想したようにタカ派にはならず、インフレの現状認識を下方修正し、バランスシートの縮小開始時期についてもあいまいだったこと。

声明では、バランスシートの縮小に関して、6月声明の「今年中」から今回は「比較的早く」という文言に変わり、幅を持たせた。

物価の現状に関しては、6月声明の「2%をやや下回っている」から今回「2%を下回っている」に変更した。物価の現状認識の変化については、インフレ率の見通しについてFRB内で相当議論があることの証だと見られている。

「イエレン議長が言うように、インフレ率低迷が携帯電話料金の格安パッケージの導入や処方箋医薬品の値下げといった一時的な要因のせいであれば、おそらく、9月、10月のインフレ率で、この見立てが正しかったかどうかの結論が出るはずだ」と三菱UFJモルガン・スタンレー証券 シニア投資ストラテジスト、服部隆夫氏は指摘する。

一方、ユーロはFOMCを挟んで2年半ぶりの高値圏に急伸したあと、高水準を維持し1.17ドル前半から半ばで推移した。

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