ドル下落、111円台前半 FOMC声明はハト派的と解釈=NY市場
[ニューヨーク 26日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルがほぼ全面安の展開となり、対円で111円台前半に下落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)声明の内容がハト派的と受け止められ、ドルが売られた。
ドル/円
主要6通貨に対するドル指数は93.396と、16年6月23日以来の安値に沈んだ。
米連邦準備理事会(FRB)は26日まで開催したFOMCで金利を据え置くとともに、会合後に公表した声明でバランスシートの縮小に「比較的早期に」着手する考えを示した。
金利据え置きは予想通りだったが、バランスシート縮小の開始時期に関する言い回しは前回FOMC声明の「年内」から手直しされた。
クレディ・アグリコルの外為ストラテジスト、バシリ・セレブリアコフ氏は「当社の見立てでは、(バランスシート縮小の開始時期についての)『比較的早期に』という表現は9月という予想に合致するが、9月開始についてもっと強い文言かはっきりした言い回しが期待されているようだった。こうした見方は当社の予想とは異なる。しかし『比較的早期に』という文言で解釈にいくらか幅が生まれそうだ」と述べた。
今回の声明によりFRBは早ければ9月の次回FOMCでバランスシート縮小に着手する態勢が整ったが、声明の内容に意外感がなかったため、市場の流れはドル売りに引き戻された。
セレブリアコフ氏は「全般的にドル売りの圧力が強い。FOMC声明が発表され、ドル買いの材料が少しも見当たらず、ドル以外の通貨で高値を追おうとする動きがあった」と述べた。
アナリストによると、ドルはいったん節目を割ると売りが売りを呼ぶ形で下げ幅が大きくなった。
ドル/円 NY終値 111.15/111.19
始値 111.78
高値 112.18
安値 111.08
ユーロ/ドル NY終値 1.1732/1.1736
始値 1.1641
高値 1.1739
安値 1.1622
(表はロイターデータに基づいています)
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