米6月中古住宅販売1.8%減、供給不足で価格は過去最高

2017年7月25日(火)02時54分

[ワシントン 24日 ロイター] - 全米リアルター協会(NAR)が24日に発表した6月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比1.8%減の552万戸だった。1.0%減の558万戸との市場予想と比べて大幅に落ち込んだ。供給不足に伴い住宅価格が過去最高値に達したことが背景にある。

5月の数字は当初発表の562万戸から改定はなかった。

6月の前年同月比は0.7%増だった。

深刻な供給不足の中で販売は抑制されており、今年に入り前月比ベースで販売高が増えたのは3回。結果、販売戸数の動きの幅は狭い。建設業者が土地や建材、熟練労働者の確保に苦戦する中、状況はさらに悪化する可能性がある。また住宅市場は供給不足により競争が激しく、住宅の値上がりは賃金の増加ペースを上回っている。

ジローのチーフエコノミスト、スベンジャ・グデル氏は「需要が極めて旺盛なのは、経済の健全性にとり良い兆候だ」としながらも、「初めて住宅を購入する向きには、エントリーレベルの物件を見つけることが極めて困難で、いいことはないだろう」と話す。

市場に出て売れ残った住宅在庫は6月末時点で前月比0.5%減の196万戸。前年同月比は7.1%減。25カ月連続で前年水準を下回った。

結果、物件の中間販売価格(季節調整前)は前年同月比6.5%上昇の26万3800ドルで、過去最高を記録した。前年同月比は64カ月連続で上昇している。

ただNARは、インフレ調整後の価格中央値は2006年のピーク時を下回っており、バブルの兆候はないとしている。

地域別では、北東部、西部、南部では販売が落ち込んだが、中西部では増加した。

6月の販売ペースで在庫がなくなるのに要する期間は4.3カ月と、5月の4.2カ月からやや上昇した。一般に6カ月が健全な需給バランスの目安とされる。

在庫が市場に出回っている期間は28日と、前年同月の34日から減少。とりわけシアトル、ソルトレイクシティ、サンノゼ、サンフランシスコ、デンバーでこうした短縮傾向が顕著という。

賃金が前年比2.5%を超える水準までなかなか伸びない中、初回購入者の割合は32%でほぼ変わらず。堅調な住宅市場に欠かせないとされる40%の水準を大きく下回っている。

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