対ロイター訴訟、ユニバーサルの敗訴確定 最高裁が上告棄却

2017年7月22日(土)12時51分

[東京 22日 ロイター] - ユニバーサルエンターテインメントから多額の資金が流出したと報じたロイターの記事で名誉を傷つけられたとして、ユニバーサルがトムソン・ロイターに損害賠償や記事の削除などを求めていた訴訟で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は19日付でユニバーサルの上告を棄却し、上告審として受理しない決定を下した。これによりユニバーサルの訴えを退けた1審、2審の判決が確定、同社の敗訴が決まった。

ロイターは2012年11月、フィリピン娯楽賭博公社(PAGCOR)のヘニュイーノ会長(当時)の側近だったコンサルタント、ロドルフォ・ソリアーノ氏の関連会社などに、ユニバーサルの関連会社から総額4000万ドルが流出していたと報じた。資金が支払われた時期は、マニラのカジノ建設計画をめぐり、ユニバーサルがフィリピン政府に外資規制の緩和などを要望していた時期と重なっていた。

この報道に対し、ユニバーサルは12年12月、トムソン・ロイターと記者、編集者に合計で2億円の損害賠償などを求める訴訟を東京地裁に起こした。同地裁は15年11月、ユニバーサルの訴えを退ける判決を下し、東京高裁も16年11月に同社の控訴を棄却。同社が上告していた。

今回の最高裁の決定について、ロイターはユニバーサルにコメントを求めたが返答は得られなかった。トムソン・ロイターの広報担当者は「われわれは、弊社報道を支持する最高裁の決定を喜ばしく思う」としている。

(江本恵美)

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