金融庁課徴金訴訟、取り消し認める高裁判決確定 国が上告断念

2017年7月14日(金)10時11分

[東京 14日 ロイター] - 金融庁が出した課徴金納付命令の取り消しを求めて元金融コンサルタントの女性が起こしていた訴訟で、最高裁判所への上告期限である13日までに国が上告しなかった。この結果、命令を取り消す東京高裁の判決が確定した。課徴金の取り消し判決の確定は初めて。

国は一審、二審と事実認定で敗れていたが、高裁判決の法律解釈について「争う余地が小さい」と判断。法解釈を争う場である最高裁への上告は断念せざるを得ないとの結論に至ったもようだ。

東京電力の公募増資を巡り、主幹事の野村証券の営業担当社員(当時)から未公表の重要情報を入手し、金融商品取引法が禁止するインサイダー取引をしたとして、この女性は2013年に課徴金6万円を納付するよう命じられた。

東京高裁は6月29日、判決で「重要事実が野村証券内部において営業員に伝播したものとは認められない」と指摘。課徴金命令を取り消すとした一審・東京地方裁判所の判断を支持し、国の控訴を棄却した。

東京高裁で控訴が棄却されたことを受け、金融庁は証券取引等監視委員会や法務省と対応を協議してきた。

(和田崇彦)

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