EU、予算見直し議論へ 英離脱で財源縮小

2017年6月29日(木)14時30分

[ブリュッセル 28日 ロイター] - 欧州委員会は28日、欧州連合(EU)予算について、英国のEU離脱など、一連の課題に対応するため、歳出入のあり方を見直す必要があると表明、議論のたたき台となる報告書を公表した。

報告書では、新税の活用や歳出カットなどが提案されており、加盟国政府が今年、議論を進める予定だ。

英国は現在、EU予算全体の約16%(100億─110億ユーロ)を拠出しており、英国が2019年3月にEUを離脱すると、財源が不足することになる。

欧州委員会のエッティンガー委員は会見で「財源不足を完全に補うことは不可能なため、予算を削る必要がある」と発言。「EU予算が2020年以降変わることは確実だ。現状維持は選択肢にない」と述べた。

報告書では、財源不足への対応策として、法人税、金融取引税、電力税、自動車燃料税、排ガス課税の活用、中銀の通貨発行を列挙。加盟国政府が徴税し、一部もしくはすべてをEUに納める仕組みを提案している。

歳出カットについては、EUの共通農業政策の下で農家に直接支給されている補助金を一部削減する案や、低開発地域の支援予算の削減、EUが拠出するプロジェクトの加盟国分担金の増額といった案を提示。

また、司法の独立性や報道の自由に対する懸念が浮上しているポーランドを念頭に、予算の配分と「法の支配の原則」を関連付ける案も提示した。

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