ドル112円前半で底堅い、米金利がじわり上昇

2017年6月28日(水)15時40分

[東京 28日 ロイター] - 午後3時のドルは、前日ニューヨーク市場の午後5時時点に比べて、ドル安/円高の112.15/17円だった。米金利がじわりと上昇する中で、ドルは112円前半で底堅い動きとなった。前日の欧州中央銀行(ECB)総裁のタカ派よりと受け止められた発言を受けたユーロの堅調な地合いは続いた。

午後のドル/円は、米10年債利回りがじわりと上昇するのをながめて、じり高に推移した。「特に材料があるわけではないが、前日のユーロ圏金利上昇に連れた米金利上昇の流れが続いているのだろう」(国内金融機関)との声が出ていた。一時112.23円に持ち直した。

午後3時前には株価の下げと米金利の上昇一服をながめて、ドル/円もやや上値が重くなったが、下押しは限られた。

ユーロは堅調に推移。前日に続き、きょうも欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の発言機会が予定されており、市場は関心を寄せている。前日はドラギ総裁の発言がタカ派寄りと受け止められてユーロ圏金利とユーロが急騰。米金利やドル/円も連れ高となった。

ただ、市場では「ECBは金利やユーロの急激で大幅な上昇は望んでいないだろう。株安をもたらした点も踏まえると、火消し発言が出てきてもおかしくない」(みずほ証券のチーフ為替ストラテジスト、山本雅文氏)との指摘も出ている。市場の見方を修正するような発言があれば、ユーロは反落しやすいとみられている。

ドラギ総裁は、イングランド銀行(英中央銀行、BOE)のカーニー総裁、日銀の黒田東彦総裁、加中銀のポロズ総裁とECB主催のパネルディスカッションに参加する。

前日はドラギ総裁の発言を手掛かりに、短期筋のショートが巻き戻され、ユーロ/ドルが急騰した。

半期末を控えた資本取引のフローが為替相場を左右しているとの見方も出ていた。ドル/円についても、半期末をにらんだドル買い/円売りが前日のドル高を演出した可能性も指摘されている。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 112.15/17 1.1360/64 127.41/45

午前9時現在 112.19/21 1.1335/39 127.18/22

NY午後5時 112.33/37 1.1339/41 127.38/43

(為替マーケットチーム)

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