ECB総裁発言でユーロ下落、ドル/円一時1カ月ぶり高値=NY市場

2017年6月27日(火)07時08分

[ニューヨーク 26日 ロイター] - 26日のニューヨーク外為市場では、ユーロが下落。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が大規模緩和策の妥当性を強調する発言をしたことが影響した。

米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長による27日の講演も注目される中で、ドルは対円で一時1カ月ぶり高値に上昇した。

終盤のユーロ/ドルは0.1%安の1.1179ドル。ドル/円は1カ月ぶり高値となる111.93円まで買われる場面があった。主要6通貨に対するドル指数は0.2%高の97.440。

朝方にはユーロが1.1219ドルまで上昇した。5月米耐久財受注統計で、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財の受注が前月比0.2%減と市場予想に反してマイナスとなったためだ。

しかし、ドラギ総裁がリスボンで行ったタウンホール形式の学生との会合で、ECBの超低金利は雇用を創出し、成長を後押しして借り手にメリットをもたらし、最終的に格差を緩和していると述べると、ユーロ売り/ドル買いの流れに転じた。

チャップデレーン・フォーリン・エクスチェンジのマネジングディレクター、ダグラス・ボースウィック氏は「ドラギ氏は(ECBが)緩和縮小に動くとの期待に冷や水を浴びせ、ユーロが弱含み始めた」と指摘した。

イエレン氏は27日の講演で、米経済の先行きについて明るい見方を維持し、年内にあと1回、来年は3回というFRBの想定する利上げペースを支持するとみられている。こうした観測がドル指数の上昇を支え、ドル/円も上昇した。

一方でイエレン氏がハト派方向に軌道修正するリスクも意識され、ドルの上値は限られた。

マッコーリー・グループのグローバル金利・通貨ストラテジスト、ティエリー・アルバート・ウィズマン氏は「市場参加者の間では今後のFRBの動きについて意見が割れている。あすのイエレン氏(の講演)からより多くの情報が得られるだろう」と話した。

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