ドル111円前半で動意薄、何を材料視すべきか迷う声

2017年6月26日(月)15時47分

[東京 14日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の111円前半。仲値公示にかけて国内企業の買いが一巡すると、「ベタ凪」状態となり、インターバンク、短期筋とも動意薄となった。

市場では「原油価格が当面の底を打ったのか、米長期金利はまだ下がるのかなど、確信が持てないことが多すぎて、短期筋も(為替相場に)手を出せない状況」(FX会社)との声が出ていた。加えて、米景気指標の内容もまちまちで「何を材料視していいのかわからない」(同)とされる。

サウジアラビアでは、ムハンマド・ビン・サルマン副皇太子兼国防相が21日、皇太子に任命された。このこと自体は原油の減産体制の維持に寄与するとみられているものの、需給相場となっている原油価格がこれ以上、下がらないとの見通しが立つわけではない、という。

米原油先物は43.53ドル付近で前日の終値から約0.5ドル高になっている。

午後には、米サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁の発言が伝わったが、為替市場は反応薄だった。同総裁は、米インフレの鈍化は一時的要因によるもので、米FRBは緩やかな利上げを続けるべき、と述べた。また、最近の米インフレの鈍化は、一時的な要因によるものとの認識を示したうえで、利上げとバランスシート縮小開始を同時に行うことに問題はないが、そうする必要はないとした。

27日にイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の講演があるものの、先日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見以上の内容が出てくる可能性は高くないとの見方も出ている。市場では、米金融政策の正常化を裏付ける経済データに関心が寄せられており、目先は30日のPCEコア・デフレーターが注目されている。

午前9時前、6月15━16日開催分の日銀金融政策決定会合における主な意見の内容が伝わったが、市場の反応は限定的だった。

出口議論の問題は、物価目標達成に距離がある中で出口の時期を見通せないという意見や、市場の不安を高めないように金融政策の考え方をしっかり説明していく必要がある、とする声があった。国債買入について年間45兆円ペースまで縮小させる必要があるとの指摘もあった。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 111.29/31 1.1191/95 124.55/59 

午前9時現在 111.23/25 1.1198/02 124.56/60

NY午後5時 111.26/32 1.1192/96 124.54/58

(為替マーケットチーム)

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