英中銀金融政策委員にテンレイロ氏、貿易専門LSEエコノミスト

2017年6月20日(火)04時26分

[ロンドン 19日 ロイター] - 英国のハモンド財務相は19日、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のエコノミストであるシルバナ・テンレイロ氏をイングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)の外部委員に指名した。フォーブス委員の任期切れに伴う措置。

テンレイロ氏は2002―04年に米ボストン地区連銀、12―14年にはモーリシャス銀行の金融政策委員会の外部委員として勤務していた。

フォーブス委員は利上げ支持派で、今月の金融政策会合では、フォーブス委員に加え、予想外にマカファーティー、ソーンダーズ両委員も利上げを主張し、金利据え置きに反対票を投じた。中銀内の意見の対立が鮮明になる中、フォーブス氏の後任人事は中銀全体のバランスを左右する重要な意味を持つ。

テンレイロ氏は貿易、賃金の伸びなどの問題を専門分野とする。博士号過程で同氏を指導したハーバード大学の経済教授、ロバート・バーロ氏は、国際貿易と為替相場の関係についてのテンレイロ氏の研究は高い評価を得たと述べている。

またテンレイロ氏は、欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票前に、離脱は「大きな間違い」とする公開書簡に署名したエコノミスト280人のうちの1人。

同氏は1月に公表された英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙の年次エコノミスト調査で、英中銀はインフレ加速と成長低迷で難しい舵取りを迫られているとし、「(次回の金利変更は)いずれの方向もあり得る」と述べている。

ノムラの為替ストラテジスト、ジョーダン・ロチェスター氏は、テンレイロ氏が就任当初から多数派である据え置きに反対票を投じる公算は小さいとし、「全体的にはややハト派に傾くのではないか」との見方を示している。

英財務省は、利益相反問題を報告していなかったとの批判を受け副総裁職を辞任したホッグ氏の後任についても、やがて明らかにするとしている。

*内容を追加して再送します。

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