参院が片岡氏と鈴木氏の日銀審議委員起用を可決、衆院も同意の見通し

2017年5月24日(水)10時41分

[東京 24日 ロイター] - 参院は24日午前の本会議で、日銀審議委員に三菱UFJリサーチ&コンサルティング・上席主任研究員の片岡剛士氏(44)と、三菱東京UFJ銀行・取締役の鈴木人司氏(63)を起用する国会同意人事案を、与党などの賛成多数で可決した。近く開かれる衆院本会議でも同意を得られる見通しで、内閣の任命を経て7月24日に就任する予定だ。

片岡氏と鈴木氏は7月23日に任期を迎える木内登英審議委員、佐藤健裕審議委員の後任となる。任期は5年間。

片岡氏は、大規模な金融緩和政策を柱に人々のインフレ期待を高めることでデフレ脱却を目指す、いわゆるリフレ派の代表的なエコノミスト。

日銀が昨年9月に「量」から「金利」に政策の軸足を移した「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」(YCC)を導入した後も、2%の物価安定目標が実現できていない中では「金融政策と財政政策を両輪として働かせること(ポリシーミックス)が求められる」と積極的な金融緩和を求めてきた。消費税増税にも否定的な見解を示している。

鈴木氏は、三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行後、市場部門を中心に歩み、市場部門長として同行の市場性収益の拡大に貢献。その後、副頭取に就任した。

市場動向に精通しており、以前から審議委員候補の1人とみられていた。日銀による市場との対話では、これまでの知見が生かされるとの期待感が市場にある。

日銀審議委員は、日銀の最高意思決定機関である政策委員会のメンバーで、同委員会は総裁1人、副総裁2人、審議委員6人で構成されている。年8回定例開催する金融政策決定会合において当面の金融政策運営の方針などを決める。

(伊藤純夫)

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