NY市場サマリー(19日)

2017年5月20日(土)06時44分

[19日 ロイター] - <為替> トランプ米大統領とロシアの不透明な関係を巡り政治不安が高まるなかドルが主要通貨に対して売られ、ドル指数は昨年11月の米大統領選挙以降で最低水準を付けた。

この日は米ワシントン・ポスト紙が関係筋の話として、昨年の米大統領選挙でのトランプ陣営とロシアとの関係を巡る捜査で、捜査当局がホワイトハウス高官でトランプ氏に近い人物に関心を示していると報じたことがドル売り要因となった。

テンパスの市場担当ディレクター、ジョン・ドイル氏は「ドルは今週は広範な売りにさらされているが、米国の政治リスクがその大きな理由となっている」と指摘。「昨日は売りはやや後退したが、この日は売りが再燃した」としている。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 米10年債利回りが1カ月ぶり低水準近辺となった。トランプ大統領を巡るロシアとの癒着疑惑が減税やインフラ投資の実現を阻むとの懸念が広がった。

米紙ワシントン・ポストはこの日、トランプ陣営とロシアの結託の疑いに関する法的調査の対象に、現役のホワイトハウス当局者が含まれると報じた。

TD証券の金利ストラテジスト、ジェナディ・ゴールドバーグ氏は「トランプ大統領の政策課題が頓挫することが大きな懸念材料だ」とし、「市場が楽観論に傾いていたのは好調な経済指標だけではなく、トランプ大統領が成長を押し上げるとの期待も要因だった」と述べる。

終盤の取引で、米10年債価格は小動き、利回りは2.23%。前日は4月19日以来の低水準となる2.18%をつけていた。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 値上がりしたものの、当初つけた高値からは押し戻されて取引を終了した。トランプ氏のロシア疑惑に関する新たな報道が上値を抑えたという。

ワシントン・ポスト紙は、関係筋の話として、昨年の米大統領選挙でのトランプ陣営とロシアとの関係を巡る捜査で、捜査当局がホワイトハウス高官でトランプ氏に近いアドバイザーを務める人物に関心を示していると報道した。またニューヨーク・タイムズ紙は、トランプ氏がホワイトハウスで行ったロシア当局者との会合で、コミー前連邦捜査局(FBI)長官の解任によって、ロシアによる米大統領選関与疑惑を巡る捜査に絡む「大きな圧力」が軽減されたと語っていたと報じた。

あるポートフォリオマネジャーは「報道が相場の材料になったことは間違いない。トランプ氏は外遊に出かけることから、同氏がこれからどう対処するのか誰も定かでない」と述べた。ただ株価は全般的にプラス圏を維持しており、市場は過度に心配はしていないようだとも指摘した。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 売り買いが交錯し、ほぼ横ばいとなった。6月物の清算値は前日比0.80ドル (0.06%)高の1オンス=1253.60ドル。週間ベースでは2.1%高だった。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 石油輸出国機構(OPEC)主導の協調減産措置が延長される公算が大きいとの 見方を背景に買い進まれ、3日続伸した。米国産標準油種WTIの6月物の清算値は前日 比0.98ドル(1.99%)高の1バレル=50.33ドルと、中心限月ベースで1カ 月ぶりに50ドルの大台を回復。7月物は1.01ドル高の50.67ドルとなった。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

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