大手損保3社、18年3月期に最高益更新へ 海外収益が貢献 

2017年5月19日(金)18時59分

[東京 19日 ロイター] - 大手損保3グループの2018年3月期の連結業績は、そろって前期に続いて過去最高益を更新する見通しだ。このうち2社は、買収した海外保険会社の業績が利益を押し上げる。

決算会見で一部の損保幹部は、米国の政治リスクでマーケットがリスクオフに振れても、ドル/円が110円を大きく割り込んで円高が進む展開は見込みにくいとの見通しを示した。

SOMPOホールディングスの18年3月期当期利益見通しは、前期比10.0%増の1830億円。今年3月に買収を完了した米損保大手エンデュランス・スペシャルティ・ホールディングスが連結対象になることが寄与する。

MS&ADインシュアランスグループホールディングスは、同16.4%増の2450億円。海外の保険子会社で自然災害の影響が減少し、保険金の支払い負担が軽減され、増益につながる。

17年3月期は国内保険子会社の機能別再編に伴うシステム関連費用などで特別損失が増え、当期利益が下押されたが、18年3月期はこうした一時要因がなくなる。

東京海上ホールディングスは、同2.2%増の2800億円となる見通し。自然災害の発生予想が平年並みに戻るため、子会社の東京海上日動の利益が前年より回復する。

<米政治リスクとマーケット>

トランプ米大統領の弾劾リスクへの警戒感から、18日に株安・円高が進むなど、市場では米政治リスクが意識され始めた。

だが、MS&ADの藤井史朗副社長は、19日の会見で「ドル/円は、110円を若干割り込んだとしても、さらに円高にいくことは想定していない」と述べた。

一方、SOMPOの辻伸治副社長は、米政治リスクを背景にマーケットがリスクオフになった際の運用への影響をシミュレーションしていると述べた上で、「一定程度の影響を受けても、われわれの財務状況やビジネスに重大な影響を及ぼさないというところまで検証している」と話した。

(和田崇彦 編集:田巻一彦)

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