日本郵政、18年3月期は最終黒字予想 ゆうちょ銀が利益押し上げ

2017年5月15日(月)18時13分

[東京 15日 ロイター] - 日本郵政は15日、2018年3月期の通期連結最終損益が4000億円の黒字になるとの見通しを発表した。

2017年3月期は豪物流子会社トール・ホールディングスに係るのれんなどの減損処理で289億円の最終赤字になったが、18年3月期は傘下のゆうちょ銀が増益となり、連結最終損益が黒字に浮上する見通しだ。

郵政が示した傘下各社の2018年3月期通期の業績予想では、ゆうちょ銀の当期利益が前期比12.1%増の3500億円、かんぽ生命の当期利益は同2.8%減の860億円。ゆうちょ銀は外債の償還益が利益を押し上げる。会見した日本郵政の長門正貢社長は、満期到来の外債で2000億円弱の為替差益が発生する見通しだと明らかにした。

一方、国際物流部門を抱える日本郵便は黒字化し、当期利益は130億円の見通し。リストラ効果などでトール社の利益が改善する。

日本郵便は6月、消費増税に伴う価格改定を除いて23年ぶりに郵便料金を値上げするが、利益への貢献は限られそうだ。同社は郵便料金の値上げで300億円程度の増収効果を見込むが、「増収効果を食ってしまうほど(人件費で)コストがかかる」(郵政の長門社長)という。長門社長は、はがきの再値上げは検討していないとした。

ゆうちょ銀とかんぽ生命の国債保有比率はそろって低下した。3月末時点の国債保有比率はゆうちょ銀が33.2%(2016年12月末は35.3%)、かんぽ生命が53.2%(同53.6%)。

<野村不動産の買収報道>

日本郵政が野村不動産ホールディングスの買収を検討しているとの報道について、長門社長は「12日に適時開示した事実以外に、話す内容はない」と述べた。そのうえで「一般論として、M&A(企業の合併・買収)を成長戦略の歯車の1つにしたい」と話した。

同報道について日本郵政は12日、同社が発表したものではないとしたうえで、「新たな資本・業務提携について様々な可能性を検討しているところであり、開示すべき事実が決定された場合には速やかに公表する」とのコメントを発表している。

*内容を追加しました。

(和田崇彦)

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