ユーロ下落、ECBの姿勢ハト派的と受け止め=NY市場

2017年4月28日(金)06時31分

[ニューヨーク 27日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ユーロが下落。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が、27日の理事会で緩和バイアスの削除を議論しなかったと表明したことが影響した。

ユーロ/ドルは一時、ドラギ氏が会見で「ユーロ圏の景気回復が底堅さを増し、下振れリスクは一段と後退した」と述べると、1.0932ドルまで買われる場面があった。しかしドラギ氏はその後の質疑などで、大規模緩和の縮小を開始するにはまだいくつかの障害があるとの見解を強調。このためユーロは軟調に転じ、終盤は0.3%安の1.0875ドルとなった。

BMOキャピタル・マーケッツの外為戦略グローバル責任者グレッグ・アンダーソン氏は「ドラギ氏は期待されたほどタカ派的ではなかった」と語り、これでユーロの上昇方向のイベントリスクは当面なくなったとの見方を示した。

ドル/円は直近が0.2%高の111.22円。日銀の黒田東彦総裁が会見で予想物価上昇率がなお低調だと認めたことから、もっと強気の物価見通しを見込んでいた一部市場参加者の失望を誘い、ドル買い/円売りにつながった。

ウェルズ・ファーゴの通貨ストラテジスト、エリック・ビオリア氏は「物価見通しの下振れは大規模緩和の継続を示唆する」と指摘した。

スウェーデンクローナは対ドルで下落した。スウェーデン中央銀行が27日、債券買い入れ期間を延長するとともに、利上げ開始は従来の想定より遅い来年半ばになるとの見通しを明らかにした。

ドル/円 NY終値 111.25/111.28

始値 111.33

高値 111.59

安値 111.05

ユーロ/ドル NY終値 1.0872/1.0874

始値 1.0896

高値 1.0932

安値 1.0852

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