ドル、上昇幅を縮小 米税制改革案の発表が失望誘い=NY市場

2017年4月27日(木)06時38分

[ニューヨーク 26日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対し一時つけた高値から上げ幅を縮小した。トランプ米政権が発表した税制改革案には、ドル買い材料となるような新たな材料が含まれていないと受け止められ、市場の失望を誘った。

トランプ政権の税制改革案には、連邦政府の法人税率を現在の35%から15%へと引き下げることや、個人事業者などのパススルー事業への最高税率引き下げなどが盛り込まれている。

ドル/円は、税制改革案の発表を控えて一時111.77円まで上昇したが、発表後に上げ幅を縮め、終盤はおおむね横ばいの111.15円で取引された。

アナリストは、税制改革案が新味のある詳細な内容に欠けていたことや、今後、議会の理解を得られるのか不透明だとの懸念からドルが売られたと分析。

クレディ・アグリコルの外国為替ストラテジスト、バシリ・セレブリアコフ氏は、うわさに基づいて買われ発表されれば売られるという、相場でよく見られる値動きをいくらかなぞっているようだと分析。今回の税制改革が実行に移されるまでには長い道のりがあることを「市場は分かっている」とも指摘した。

ユーロ/ドルは下落幅を縮小し、終盤は0.2%安の1.0900ドル。一時は0.6%安の1.0857ドルまで下げる場面があった。

一方で、米政府高官が北米自由貿易協定(NAFTA)離脱の大統領令の草案が検討されていると明らかにしたことを受け、メキシコペソとカナダドルは対ドルで下落した。

ドルは対ペソで約2.4%上昇し、1カ月超ぶり高値の19.2922ペソをつけた。ドルはカナダドルに対し一時、0.4%高となった。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「(この為替の値動きは)米経済がメキシコ、カナダ両国にとっていかに重要かを浮き彫りにしている」と述べた。

主要6通貨に対するドル指数は終盤0.2%高の99.018で取引された。

ドル/円 NY終値 111.03/111.08

始値 111.16

高値 111.77

安値 110.88

ユーロ/ドル NY終値 1.0903/1.0904

始値 1.0891

高値 1.0912

安値 1.0857

(表はロイターデータに基づいています)

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