新規資金は約1.6兆円、オープン外債と外国株増加=日本生命運用計画

2017年4月26日(水)21時05分

[東京 26日 ロイター] - 日本生命保険は26日、2017年度の一般勘定運用計画で、オープン外債や外国株式など円金利以外の資産を増加させる方針を示した。国内債券は全体として横ばいだが、国内金利が低位で推移する中、引き続き国債への投資は抑制する。

超長期債は利回り1%以上を目安に投資対象として検討する。外債投資では米債のほか、ヘッジコストが安い欧州債への投資を見込んでいる。

同社が26日に開催した運用方針の説明会で明らかにした。

日本生命は、17年度の新規資金配分を前年度実績(速報ベース)の1兆6100億円とほぼ横ばいの規模を見込んでいる。16年度末の資産構成比は、一般貸付・国内債・ヘッジ外債の円金利資産が約71%、内外株式・オープン外債・不動産など円金利以外の運用資産が約28%だった。17年度は、国内金利の低下を受けて国債投資を抑制する一方で、オープン外債や外国株への投資を拡大する。基本方針としては、円金利資産を中核とした運用環境の悪化に強いポートフォリオを維持しつつ、リスク性資産の組み入れによる中長期的な収益向上を目指すとしている。

国内債は、償還分の再投資程度で運用規模は横ばいを維持する。10年国債は引き続き新規投資の対象外だが、「20―30年の超長期債については利回り1%以上が投資のめどになる。金利上昇時には機動的に対応する」(財務企画部長の秋山直紀氏)という。

円金利が低水準を続ける中、同社では「内外金利差に着目し、よりイールドの取れる外債に分散投資する」(同)としている。外債は16年度にヘッジ付・オープンとも残高を大幅に積み増したが、17年度は米利上げが予想される中で、ヘッジコストの上昇を考慮。ヘッジ外債は横ばいを維持する。米国の社債やモーゲージ債を中心とし、ヘッジコストの安い欧州債への投資も検討する。オープン外債を積み増す方向だが、政治イベントや地政学リスクなどを見極めつつ、機動的に為替リスクをコントロールするとしている。

内外株式は、企業の成長性や株主還元状況に着目し、中長期的な収益力向上につながるポートフォリオを構築する。国内株を横ばいとし、オルタナティブを含めた外国株をやや増加させる方針。不動産は横ばいを見込んでいる。

低金利が続く状況下、生保の運用環境は厳しさを増している。同社では、新中期経営計画(2017―2020年)で成長・新規領域への投融資を1.5兆円計画している。国内外のインフラ案件への投融資やESG債への投資、国内外のベンチャー投資などを予定している。

(河口浩一)

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