G20閉幕、麻生財務相「保護主義強まらず」 中国に懸念も

2017年4月22日(土)12時03分

[ワシントン/東京 21日 ロイター] - 麻生太郎財務相は21日、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後にワシントンで記者会見し、「これ以上自由貿易から保護主義への流れがさらに強まるとは思っていない」との認識を示した。中国経済については「過剰生産や過剰投資が世界経済に混乱を与えている」と懸念を表明した。

麻生財務相は国際通貨金融委員会(IMFC)にも出席し、「世界経済の見通しが先進国を中心に足元で上向いていることは歓迎できる」と発言。経済成長をさらに強化していくためには、金融・財政政策や成長戦略など、あらゆる政策手段を駆使する必要があると指摘した。

会合では「自由貿易に逆行すべきでないと主張した」ことも明らかにした。その上で「保護貿易にすべきと言っている国はない。基本的には自由貿易は維持される」との見方を示した。

環太平洋連携協定(TPP)を巡っては、米国抜きで発効を目指すことは「選択肢の1つ」と述べた。米国は日本との自由貿易協定(FTA)を視野に入れるが、「TPPの方が日米双方にとって良いシステムだ」とし、「2国間交渉の方が米国にとってより良い条件が得られる保証はない」と語った。

一方、日銀の黒田東彦総裁は、来週の金融政策決定会合で2017年度の物価見通しを引き下げる可能性について、「これから決定会合で議論が行われる」と述べるにとどめた。

ショイブレ独財務相が「金融政策の正常化に備える必要がある」と発言したことに関しては、「ショイブレ氏が何を指していたのかは分からない」とした上で「G20の議論の中でこの点について色んな議論があったとは聞いていない」と語った。

(木原麗花、梅川崇 編集:田巻一彦)

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