ドルは109円前半で小動き、仏選挙を前に様子見ムード

2017年4月21日(金)15時43分

[東京 21日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ変わらずの109.32/34円だった。仏大統領選を目前に控え、短期筋が円ロングをいったん手じまう動きが見られ、ドルは朝方に一時109.42円まで上昇したが、前日海外市場の高値は上抜けずに失速。午後にかけて109円前半での小動きに移行した。

午後のドル/円相場は「閑散」(国内金融機関)だったようだ。仏大統領選を23日に控えて、様子見ムードが強まったとみられている。

正午前には麻生太郎財務相が、ドルが強すぎるとのトランプ大統領の発言には問題がない、との見解を明らかにしたことが伝わり、ドル/円は一時109.19円に下押しした。ただ、総じて反応は限定的だった。

麻生財務相は、米財務長官が後日解説を加えたので特に問題とは思わないとした。米財務長官とは、為替の話は財務当局間同士でやることを再確認した、とも述べた。

主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議について、みずほ証券のチーフFXストラテジスト、鈴木健吾氏は「警戒された貿易不均衡などの話が伝わっていないとの安心感が相場の下支えになりそうだ。ただ、仏大統領選挙を控えているので、円売りもやりにくい」と指摘している。

朝方には「仏大統領選を目前に控え、短期筋の間では、北朝鮮懸念で積み上げた円買いポジションをいったん巻き戻す動きが出ている」(FX会社)との指摘が聞かれた。ただ、ドル/円は前日海外市場の高値109.48円を上回らず、トレンドを形成するような動きではないとされた。

仏大統領選への警戒で売られたドル/円を買い戻す動きは「パリでの発砲に水を差された」(国内金融機関)として、勢いが削がれたとの声が出ていた。

フランスのパリ中心部にあるシャンゼリゼ通りで20日夜、発砲があり、警官1人が死亡、2人が負傷した。銃撃犯は警察が射殺した。警察と内務省が明らかにした。フランスのオランド大統領はテロと確信していると述べた。

過激派組織「イスラム国」(IS)がISと関連のあるAMAQ通信を通じて犯行声明を発表、実行犯はベルギー人のIS戦闘員だとしている。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 109.32/34 1.0713/17 117.12/16

午前9時現在 109.37/39 1.0712/16 117.16/20

NY午後5時 109.31/33 1.0714/20 117.09/13

(為替マーケットチーム)

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