今週の米株式市場はトランプ氏の税制改革に注目、強気相場維持も

2017年3月27日(月)07時13分

[ニューヨーク 24日 ロイター] - 27日からの週の米株式市場では、共和党の医療保険制度改革(オバマケア)代替法案撤回を受けてトランプ大統領の税制改革に焦点がシフトする見通しで、強気相場を維持するためには投資家は減税策への期待を抑える必要があるとみられている。

オバマケア代替法案を巡る先行き不透明感から米株式市場は24日までの週に、昨年11月の大統領選以降最大の週間下落率を記録した。しかし、オバマケア代替法案を撤回したことによって、トランプ政権は受け入れられる税制改革案を示すことを迫られる可能性がある。

トランプ氏は24日、オバマケア代替法案の採決を断念したことを認め、次は税制改革に取り組む方針を示した。24日の米株式市場は終盤に法案撤回が伝わり、小幅安で終了した。

ボヤ・インベストメント・マネジメントのマルチアセット戦略・ソリューション部門最高投資責任者(CIO)、ポール・ゼムスキー氏は「トランプ氏がより戦略的な振る舞いを見せていることから、市場は法案撤回を受け、年内に減税が実施される可能性が高まったとみている」と指摘。「市場にやや安心感が広がった」と述べた。

トランプ氏は選挙戦で15%への法人税率引き下げを公約。しかし、その財源として見込んでいたオバマケア見直しによるコスト削減は実現しなかった。

ブンダーリッヒ・セキュリティーズのチーフ・マーケット・ストラテジスト、アート・ホーガン氏は「8月の議会休会までに何らかの法案を可決したいなら、税制改革は軽めの内容になりそうだ」と指摘。

「25─30%の法人税率で決着すれば、選挙公約の15%や下院の現行案である20%には程遠い。だがこの水準で決着するだろう」との見方を示した。

同氏はまた、法人税率引き下げが小幅となれば、より大幅な減税への期待から上昇してきた株式市場は不安定な値動きになると指摘。「マイナス材料ではないが、市場が織り込んでいたようなプラス材料ではない」と語った。

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