慎重な利上げ、インフレ高進回避に必要=NY連銀総裁

2017年3月25日(土)04時16分

[ニューヨーク 24日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のダドリー総裁は24日、経済は安定しており、失業率が一段と低下すればインフレ高進を招く可能性があることを踏まえると、慎重な利上げが必要との認識を示した。ニューヨーク市立大学ヨーク校での講演で述べた。

講演では、悪質な銀行融資や黒人社会の資本アクセス、低水準の国債利回り、バングラデッシュ中銀の盗難事件まで様々な問題に関して、総裁に質問が飛んだ。

金融刺激の解除に対する強い抵抗も垣間見られ、米連邦準備理事会(FRB)が金利など切れ味の悪い手段で、所得格差の激しい米経済を上手く導くことの困難さも浮き彫りとなった。

ダドリー総裁は「米経済は極めて良好で、完全雇用にかなり近い状況にある。失業率をさらに少し押し下げることもできるだろうが、実際に低下すればインフレ問題が生じる可能性がある」と述べた。

FRBが現在行っている引き締めは「慎重な調整であり、極めて厳しいものではない。われわれは適切かつ必要だと考えている」とし、米経済は利上げに上手く対応できるとの見方を示した。

米10年債利回り水準については、なお「極めて低い」と指摘。だが債券の強気相場が何年も続き、金融政策が引き締めに向かう中で、「今後は債券投資の魅力は薄れるだろう」とした。

*内容と写真、カテゴリーを追加して再送します。

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