NY市場サマリー(20日)

2017年3月21日(火)07時09分

[20日 ロイター] - <為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、ポンド/ドルが下落した。英政府が29日に欧州連合(EU)基本条約(リスボン条約)50条を発動し、正式なEU離脱通告を行うと表明したことが材料視された。

ドルは他の主要通貨に対しては小動きにとどまった。

ポンド/ドルはロンドン時間の午前中に0.33%程度上昇する場面があったが、英政府がEU離脱手続き開始に関する声明を発表した後は、0.45%安の1.2336ドルまで下がった。

米連邦準備理事会(FRB)が15日までの連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが緩やかなペースにとどまることを示唆して以降、ドルは軟調に推移している。

18日に終わった20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が採択した共同声明に「通貨安競争の回避」が引き続き明記されたものの、保護主義反対の文言が米国の反対で盛り込まれなかったことも、ドル安要因だった。

<債券> FRBが利上げペースを加速させる公算が小さいとの見方を背景に、国債価格が上昇した。

シカゴ地区連銀のエバンズ総裁が、年内あと2度の追加利上げ見通しを改めて示し、利上げペースの加速を期待していた投資家を失望させた。

終盤の取引で、10年債価格が7/32高。利回りは2.48%と、17日の2.50%から低下した。

エバンズ氏は、追加利上げを実施するかどうか少なくとも6月の会合まで待つ公算が大きいとの見方を示した。

<株式> ダウとS&P500がいずれも小幅安で取引を終えた。トランプ米政権の景気刺激策導入はこれまでの見通しよりも遅れるとの見方が強まり、売りがやや優勢となった。

米連邦捜査局(FBI)のコミー長官は下院情報委員会の公聴会で、オバマ前米大統領が昨年の大統領選期間中にトランプタワーで盗聴を行っていたとするトランプ大統領の主張について、裏付けとなる証拠はないと証言。S&P500とダウ平均は長官の発言が伝わると下げ基調となった。

S&Pのセクター別指数は11業種のうち7業種が下落。下げを主導したのは金融株で、原油高を見込む取引の巻き戻しが続いたエネルギー株も全般に安かった。ナスダック指数は取引時間中に一時過去最高値をつけたが、その後は伸び悩み、小幅高で終わった。

個別銘柄では、アップルが1.05%高。証券会社による株価目標引き上げを好感して買われ、取引時間中には過去最高値を更新する場面もあった。

<金先物> 最近の上伸を受けた追随買いが入り3営業日続伸した。中心限月4月物の清算値は前週末比3.80ドル(0.3%)高の1オンス=1234.00ドルと、3月1日(1250.00ドル)以来約3週間ぶりの高値を付けた。

主要な米経済指標の発表もなく新規の手掛かり材料が不足する中、テクニカルな買いに支えられた。ただ、外国為替市場でドル売り・ユーロ買いの動きが一服し、ドルが昼にかけて買い戻されたため、ドル建てで取引される金には割高感が生じ、上値は限定的だった。

<米原油先物> 石油輸出国機構(OPEC)主導の協調減産効果が米国内の生産拡大によって相殺されるのではないかとの懸念がくすぶる中、反落した。米国産標準油種WTIの4月物の清算値は前週末比0.56ドル(1.15%)安の1バレル=48.22ドル。取引量が最も多い5月物は0.40ドル安の48.91ドルとなった。

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